園:すごい精力的に仕事をされている。永井先生はデーモニッシュですね。その魔的なパワーを僕も欲しいです。永井先生のおかげで、どんどんデーモニッシュな方に惹かれていくのが習い性なんで(笑い)。
永井:ぜひぜひ、惹かれていただいて。『あばしり一家』をハリウッドで撮ってください! 撮影現場を見学に行きます。
園:ぜひ。『マッドマックス』みたいな感じで(笑)。
永井:僕もまだまだ、描いていきます。現実を描くのは好きじゃなくて、未来はどう広がりができるかなと考えて作りますから。もしかしたら、こういう時代がくるかもしれないという希望を込めて、こうなったら面白いな、面白がれるだろうな、という世界を描こうと思います。
園:新連載の『柳生裸真剣(やぎゅうらしんけん)』も向こうで楽しみに読みますね。
【プロフィール】
永井豪(ながい・ごう)/1945年(昭和20年)9月6日、石川県生まれ。石ノ森章太郎のアシスタントを経て、1967年『目明しポリ吉』でデビュー。『デビルマン』『キューティーハニー』『マジンガーZ』などを漫画とアニメの両方で大ヒットさせるなど、漫画文化への貢献は絶大。現在は「ビッグコミック」で古今東西の怪奇秘話をギャラリー形式で描く『幻想怪画』を連載中。最近観た映画は『ビバリウム』と『ノマドランド』。最新作『柳生裸真剣(やぎゅうらしんけん)』を「週刊ポスト」にて連載中。発売中の「ビッグコミック」11号には、手塚治虫の名作とコラボした『永井豪版ばるぼら』第2弾も掲載されている。
園子温(その・しおん)/1961年(昭和36年)12月18日、愛知県生まれ。17歳で詩人デビュー。街頭パフォーマンス集団「東京ガガガ」を主宰しながら映画を撮る。代表作に『紀子の食卓』『冷たい熱帯魚』『ヒミズ』(永井豪のお気に入りは『ひそひそ星』)。吉高由里子、満島ひかり、二階堂ふみなどの女優を世に出した。今年公開予定は『エッシャー通りの赤いポスト』と『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』の二本。