週刊誌の編集者を演じる

週刊誌の編集者まで演じてみせる

 物語の舞台が週刊誌編集部ゆえ「出張ホスト百人斬り」「セックスレス」などの刺激的なワードが飛び交いますが、根底に人間のドラマが横たわっていてきっちりと掘り下げていくドラマは見応えあり。

 またここで新しい芳根さんに出会えた、と思いきや、今日本テレビ系で放送中の『コントが始まる』(土曜 午後10時)では主人公3人組の一人、潤平(仲野太賀)の彼女・奈津美役で登場。こちらの役・奈津美は大手企業のキャリアウーマンで、潤平がお笑いを続けていくかどうか迷わせる存在であり、今後の展開を占う大事な役どころ。いったいどんな人物像を浮かび上がらせてくれるのか、芳根さんから目が離せません。

 思えばすでに昨年の『コタキ兄弟と四苦八苦』(テレビ東京系)に、兆しは現れていました。芳根さんが演じた喫茶店の看板娘・五月は、同棲していた彼女と別れたばかり。心に傷を持つレズビアンで、モトカノを想い呻吟する姿も切なくて印象的でした。両脇に滝藤賢一と古舘寛治というクセのあるオヤジ役者2人を置いて、存分に自分の個性を発揮していたのも凄い。「優等生」の殻なんてとっくに破って走り出していた。

 十代にデビューし生真面目・清純イメージから出発した芳根さんですが、内に秘めているのは瑞々しい芝居勘にブレない芯。静かなたたずまいの中に、たしかに感じる主張。些細で微弱であるがゆえのしなやかな強さ。芳根さんのフラジャイルな魅力と今後の演技に注目です。

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