指定校人気との格差は広がる一方
低倍率というのは、あくまで県全体の募集人員に対して受験者数のほうが少ない、ないしは僅かに上回る程度しかいないということ。
ところが、学校別にみると事情はまったく異なる。レベルの高いところは激戦であることは少しも変わっていないのだ。これも東京都の指定校を例にとって見てみよう。東京都は全国で唯一男女別募集なので、男女に分けて高い順に記載する。
〈男子〉
戸山1.89倍、青山1.71倍、立川1.70倍、日比谷1.63倍、八王子東1.57倍、国立1.34倍 西1.27倍
〈女子〉
青山2.26倍、戸山1.80倍、日比谷1.66倍、国立1.55倍、西1.52倍、立川1.39倍、八王子東1.35倍
今回、様々な角度から公立高校の現状を見てみると、トップ校の躍進が派手に報じられている一方で、一般の高校からは東大に受かりにくくなっていること、生徒募集面でも苦戦を強いられる状況が生まれていること、そしてそれらは主として都県の施策による面が大きいこと──などいろいろな側面が浮き彫りになったのではないだろうか。