総合病院での勤務経験がカギ
替える決意ができたら、できる限りいい病院に巡り合いたい。医療問題に詳しいジャーナリストの村上和巳さんが言う。
「まずはホームページを確認することを推奨します。医師の出身大学や専門医かどうかなど、肩書をチェックしましょう。しっかりした専門医であればあるほど質問を嫌がりません。勉強しているから、わからないことがあってもごまかさず『それはいまの医学ではわかっていません』と即答する。熟練の専門医は説明上手で、人間もできている人が多い印象です」
症例数・手術数をランキングにした病院ガイドブックもあるが、数字だけをうのみにしてはいけない。
「病院の良し悪しにおいて症例数はひとつの指針になりますが、専門医が多数在籍する病院では1人あたりの手術回数が少ないことも。医師の人数も含め、しっかり確認しましょう」(村上さん)
橋本さんは医師が過去にどんな病院に在籍していたかを確認すべきと助言する。
「できれば若いうちからひとりで開業した医師より、ある程度の年数、大学病院や総合病院など大きな組織で働いた経験がある医師の方がいい。そういった医師は多くの先輩たちと働くことで知識を得て、技を磨いてきている。加えてコミュニケーション上手な人も少なくありません」
あなたの態度が名医をつくる
ナビタスクリニック川崎の内科医・谷本哲也さんは「通いやすさ」を条件に挙げる。
「糖尿病や高血圧症などの生活習慣病をはじめとした継続した通院が必要な場合は、特に通いやすさが大切になってきます。もちろん、先生との相性もありますから、2~3か月ほど通って長く継続できそうな場所かどうか判断するのもひとつの方法だと思います」
病院の場所とともに気を配っておきたいのは、新型コロナ対策の有無だ。
「消毒の徹底はもちろん、このご時世、待合室で何分も待たせるような病院はやめた方がいい。事前予約で密な状況で待たずに診療を受けられるような体制をとっているかどうかも確認するべきでしょう」(前出・都内の内科医)
村上さんは一部病院の人手不足を懸念する。
「いまの時期、感染症指定医療機関に指定されている病院にかかるのは避けた方がいい。まさにコロナに対して臨戦態勢を敷いており、マンパワーの面で病院全体が手一杯。一般の患者の場合、診察や検査もこれまで以上に時間がかかると推測されるためです」(村上さん)
これらの条件に合う病院を見つけたら、実際に足を運んでみよう。
「オンライン診療も時限的措置で拡充していますが、実際に行ってみなければわからないことも多い。たとえばインフルエンザなどの予防接種やちょっとした健診を受けに行き、院内の様子を見てみましょう。医師が廊下の真ん中を患者を押しのけるように歩いている、通りがかりの医療スタッフが挨拶をしない、トイレに清掃や消毒をした記録が表示されていないなど、疑問を覚える病院は患者を大切にしてくれない可能性が高い。しっかり確認してください」(山口さん)