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医師だけでなく、医療を受ける私たち患者の態度も重要(写真/Getty Images)

 シニアメンタルクリニック日本橋人形町院長の井関栄三さんは“初診”に注目する。

「初診で、どのくらい丁寧に診てくれるかが重要。患者や家族が理解し、納得するまである程度時間を割いて説明してくれる医師なら、不安を感じることは少ないはずです」

 もちろん、医療を受ける患者の態度も非常に重要だ。

「自分の症状を包み隠さずしっかり説明し、わからないことを質問する。当たり前のように聞こえるかもしれませんが、意外と難しい。

 たとえば、副作用で手にしびれが出る治療法を提案された場合、仕事や家事に支障が出そうで懸念があるならば『手先を使う仕事をしているからできればしびれが出ない方法がいい』と理由を添えて相談すること。患者から説明しなければ、医師はその背景を想像することは難しい。また、自分はどんな医師に診てほしいのか、考えをはっきりさせておくことも必要です。白黒はっきり話してくれる人がいいのか、物腰が柔らかい人がいいのか、相性の合う医師は千差万別です。誰もが納得するような“理想の名医”はいないのです」(山口さん)

 選んだ医師を名医にするかどうかは、私たちにかかっているのかもしれない。

いい病院に巡り合うための5か条

【1】ホームページをしっかりチェックする

 医師の経歴や手術数、治療法の多寡などは特に重要。総合病院など多くのスタッフの間で働いてきた経歴がある医師はコミュニケーション能力が高い傾向にあり、手術数は1人あたりどのくらいかをチェック。治療法の少なすぎる病院は避けた方がいい。

【2】まずは足を運んでみる

 オンライン診療も拡充しつつあるが、特に初診は足を運んでみることが重要。医師の態度やしっかり時間を取って診てくれるかなどに加え、受付のスタッフの対応やあいさつの有無、廊下の真ん中を医師や看護師が歩いているかどうかも確認しておきたい。

【3】ウソも方便

 病院を替えたいと思ったとき、医師に理由を正直に伝える必要はない。今後もお世話になる可能性がないとは言えないうえ、紹介状を書いてもらう必要があるため、「遠方に引っ越すことになった」「仕事の都合で時間帯が合わなくなってしまった」などそれらしい理由を作ること。

【4】新型コロナの影響をチェックする

 現在、感染症指定医療機関では、新型コロナ患者の受け入れでマンパワーが不足しているところが多いため、できれば避けるべし。また、待合室が混まないように予約制にするなど感染対策が万全な病院を選ぶこと。

【5】理想の名医はいないと心得る

 誰にとっても理想の名医はいない。自分が医師に求めるものが何なのかを明確にしてから病院を探すこと。

※女性セブン2021年6月10日号

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