立教大学で東京六大学リーグのホームラン記録を塗り替えて巨人に入団した長嶋茂雄は1958年、三塁手1位の18万3399票で選出されている。ただ、得票数はリーグ2位、12球団で4位。阪神の田宮謙次郎が12球団1位の22万3678票。2位は西鉄の中西太、3位は南海の野村克也だった。
PL学園で甲子園に5度出場し、通算最多の13本塁打を放って西武に入団した1986年の清原和博は17万9160票を集め、2位のブーマー、3位の落合博満に大差を付けたが、得票数は近鉄の大石大二郎、西武の石毛宏典に次いで12球団3位だった。投手の大物ルーキーはどうだったのか。
「総数が多いので、どうしても低めに出てしまいます。1990年の近鉄・野茂英雄はファン投票で選出されましたが、二塁手部門2位の辻発彦や三塁手部門2位の松永浩美よりも少ない16万9624票でした。1999年の西武・松坂大輔は60万2682票で選ばれましたが、リーグ5位。この年はオリックスのイチローが115万票を超えています。2007年の楽天・田中将大は57万978票で先発部門1位に選ばれていますが、中継ぎ、抑え部門の1位よりも得票数自体は少なかった」(同前)
6月、佐藤輝明の打棒がさらに爆発すれば、長嶋茂雄や清原和博も成し遂げられなかった新人の12球団最多得票でのオールスター選出という“史上初の快挙”も現実味を帯びてくるだろう。