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阪神・佐藤輝明に“史上初の快挙”の期待 新人のオールスター選出史

新人時代の長嶋茂雄も清原和博も達成し得なかった快挙へ(佐藤輝明。時事通信フォト)

新人時代の長嶋茂雄も清原和博も達成し得なかった快挙へ(佐藤輝明。時事通信フォト)

 阪神のルーキー・佐藤輝明が、オールスターのファン投票でも新たな伝説を作りそうな勢いだ。6月3日時点での中間発表で、セ・リーグ外野手部門の1位に立ち、得票数6万2269票は12球団トップとなっている。

 阪神の新人野手では、今まで8人が球宴出場を果たしている。そのうち、ファン投票選出は7人になる。1969年の田淵幸一は、捕手部門で前年まで8年連続1位の巨人・森昌彦を破って選出。1972年は中村勝広が二塁手部門で巨人・土井正三を上回り、望月充が外野手部門1位で選ばれた。1980年には岡田彰布が二塁手部門でこの年ベストナインとダイヤモンドグラブ賞を獲得する大洋・基満男を抑え、1992年には久慈照嘉が遊撃手部門でヤクルト・池山隆寛をわずか4837票差で振り切った。2016年には高山俊が外野手部門3位、2019年には近本光司が外野手部門2位で晴れの舞台に立っている。

「この中で、リーグベスト5の得票数は田淵と望月の2人だけです。阪神に限らず、1951年から始まった球宴で、新人が12球団最多得票になったことはありません。中間発表とはいえ、佐藤の数字は凄いことです」(野球担当記者)

 新人のファン投票選出のハードルは高い。1950年代はセ・リーグ2人、パ・リーグ4人、1960年代はセパともに2人ずつ、1970年代はセパともに4人ずつ、1980年代はセパともに3人ずつしかいない。1970年に前年の甲子園でフィーバーを巻き起こした近鉄の太田幸司が前半戦1勝にもかかわらず、ファン投票で選ばれているが、あくまで例外だった。

 過去の大物ルーキーを振り返ると、1952年の中西太や1953年の豊田泰光、1956年の稲尾和久という西鉄黄金時代を牽引した新人王を獲得した選手たちも、1年目は球宴出場していない。ファン投票で部門別ベスト3に入ったのも、豊田だけだった。

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