義足でのストンピングに、盟友・島田も「これはキツい~」

義足でのストンピングに、盟友・島田宏も「これはキツい~」

アマレスをパラリンピックの正式種目に

 川村義肢の川村慶社長と、今大会に参戦するDDTの高木三四郎社長が高校の同級生だった縁で、義足の開発がスタートした。ソール部分の周囲には鮮やかな金色のデザインが施されている。これは「幻の五輪金メダリスト」と呼ばれた谷津に対する、義足開発者たちからのエールの意味合いが込められているという。

「ま、見ててよ」

 いつも気さくで他者に威圧感を与えない谷津だが、気合一閃、助走をつけて3本のロープに大きく体を預けたとき、古いリングが大きく軋み、かつて国内メジャー団体でメインを張った男の凄みが一瞬にしてよみがえった。 義足の右足と血の通った左足が地団太を踏むような動きが、異様な迫力を演出している。

 凶器ストンピング、殺人トラースキック、監獄固め、パワースラム、ラリアットをかわしての裏投げ――まるで自分の足のように義足をうまくコントロールしながら、往年の得意技を繰り出す谷津。技を受ける盟友・島田も思わず苦悶の表情を浮かべた。

「やっぱプロレスは受けてなんぼだからさ。ジャンボ(鶴田=故人)はあんまりセール(派手な受け身)しなかったけどな(笑)。素晴らしい義足を用意してもらったんだけど、不安はありますよ。相手にケガさせちゃプロ失格だしね」

 自ら技を出すだけではなく、垂直落下式ブレーンバスターなど、義足装着状態での受け身を丁寧に確認する動作が続く。

 試合当日、バトルロイヤルに出場する選手たちはみな、谷津よりも一回り、二回り、あるいはそれ以上年齢が下の選手ばかりである。しかし、一般世間における知名度という点で言えば、谷津よりもビッグネームの選手はいない。

 まだ、プロレスが地上波でゴールデンタイム中継されていた1980年代までの「黄金時代」を経験している谷津は、業界の盛衰を知る生き証人でもある。

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