国内

米国防総省の「UFO実在説」を大槻義彦教授がインチキと一刀両断

物理学者・大槻義彦氏

物理学者・大槻義彦氏

 米国防総省(ペンタゴン)が昨年4月に「未確認飛行物体」(米海軍撮影)の映像を公開したのに続き、今年5月16日には同省UFO研究プロジェクトの元トップ、ルイス・エリゾンド氏が「UFOは実在する」と明言。米政府は6月にも報告書を議会に提出する予定だという。

 その行方が注目される中、あの男が“待った”をかけた。『ビートたけしのTVタックル』(テレビ朝日系)の「超常現象スペシャル」で矢追純一氏とUFOの存在を巡って対立し、超常現象やオカルトを科学的に論破してきた物理学者・大槻義彦氏(早稲田大学名誉教授)だ。

 * * *
 結論から言うと、今回の元国防総省当局者の証言はまったくの「インチキ」です。その理由を挙げていきましょう。

 まず、証言のもとになっている米海軍機のパイロットが撮影した“黒い不審な飛行物体”の映像に信憑性がない。もし軍のパイロットが本当にそんなものを見つけたら、「敵」かどうかを確認するために、必ず相手方に電波を送り、応答を待つのがルールです。応答がなければレーザービームを照射して「このままだと射撃する」と警告します。

 しかし、電波の送受信やレーザービーム照射の「記録」について、当局は一切言及していません。もし実際にそれらが行なわれていたのであれば、当局は“不審な飛行物体”の傍証として「記録」も公表するはずです。

 さらに映像では、UFOとされる物体が背景の闇よりも濃く“真っ黒”に映っている。このように映る場合、機体は「黒塗り」だということ。しかし、“宇宙船”が黒塗りなんてことは常識的にありえない。

 黒い機体に太陽光が当たると熱を吸収して表面温度はたちまち数千℃まで達してしまうからです。実際、あらゆる宇宙船の機体は金属合金の反射体になっている。

 また、元当局者は「時速約2万キロで飛行していた」と話していますが、相手までの距離もしっかり把握できてないのに、速度の測定なんかできるはずがない。

関連記事

トピックス

フリー転身を発表した遠野なぎこ(本人instagramより)
「救急車と消防車、警官が来ていた…」遠野なぎこ、SNSが更新ストップでファンが心配「ポストが郵便物でパンパンに」自宅マンションで起きていた“異変”
NEWSポストセブン
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
モンゴルを訪問される予定の雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、「灼熱のモンゴル8日間」断行のご覚悟 主治医とともに18年ぶりの雪辱、現地では角界のヒーローたちがお出迎えか 
女性セブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
「『逃げも隠れもしない』と話しています」地元・伊東市で動揺広がる“学歴詐称疑惑” 田久保真紀市長は支援者に“謝罪行脚”か《問い合わせ200件超で市役所パンク》
NEWSポストセブン
佐々木希と渡部建
《六本木ヒルズ・多目的トイレ5年後の現在》佐々木希が覚悟の不倫振り返り…“復活”目前の渡部建が世間を震撼させた“現場”の動線
NEWSポストセブン
東川千愛礼(ちあら・19)さんの知人らからあがる悲しみの声。安藤陸人容疑者(20)の動機はまだわからないままだ
「『20歳になったらまた会おうね』って約束したのに…」“活発で愛される女性”だった東川千愛礼さんの“変わらぬ人物像”と安藤陸人容疑者の「異変」《豊田市19歳女性殺害》
NEWSポストセブン
児童盗撮で逮捕された森山勇二容疑者(左)と小瀬村史也容疑者(右)
《児童盗撮で逮捕された教師グループ》虚飾の仮面に隠された素顔「両親は教師の真面目な一家」「主犯格は大地主の名家に婿養子」
女性セブン
組織が割れかねない“内紛”の火種(八角理事長)
《白鵬が去って「一強体制」と思いきや…》八角理事長にまさかの落選危機 定年延長案に相撲協会内で反発広がり、理事長選で“クーデター”も
週刊ポスト
たつき諒著『私が見た未来 完全版』と角氏
《7月5日大災害説に気象庁もデマ認定》太陽フレア最大化、ポピ族の隕石予言まで…オカルト研究家が強調する“その日”の冷静な過ごし方「ぜひ、予言が外れる選択肢を残してほしい」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で、あられもない姿をする女性インフルエンサーが現れた(Xより)
《万博会場で赤い下着で迷惑行為か》「セクシーポーズのカンガルー、発見っ」女性インフルエンサーの行為が世界中に発信 協会は「投稿を認識していない」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《東洋大学に“そんなことある?”を問い合わせた結果》学歴詐称疑惑の田久保眞紀・伊東市長「除籍であることが判明」会見にツッコミ続出〈除籍されたのかわからないの?〉
NEWSポストセブン