国内

林眞須美死刑囚の長女が飛び降り、16才孫が自宅死 周囲が見た家庭環境

(共同通信社)

林死刑囚の長女が孫と無理心中。和歌山カレー事件から23年目の悲劇(共同通信社)

 和歌山市で発生した毒物カレー事件で死刑判決が確定した林眞須美死刑囚(59才)の長女・久美さん(仮名)が6月9日に亡くなった。その最期は、関西国際空港へと繋がる連絡橋から、娘を連れて飛び降りるという衝撃的なものだった。

 6月9日、27℃。快晴。空と海の境目がわからないほど、雲がない。1台の真っ赤な外車が、境目を示すようにそのボディーを輝かせ、全長約4kmの海上橋を悠然と走る。そんな画になる光景に異変が起こったのは、車が海上橋のちょうど真ん中あたりに着いたとき。16時前のことだった。

「大阪府泉佐野市と沖合にある関西国際空港を結ぶこの橋は高速道路なのに、赤い車は路肩に停車したのです。その車から30代の女性と女の子が降り、そのまま橋の上から約40m下の海面へと飛び降りました」(大阪府警関係者)

 目撃者がすぐさま110番通報。大阪府警は約40分後、橋から南に約1km離れた海上で、37才の女性と4才の女児がうつ伏せで浮いているのを発見した。母と娘だった。2人は病院に搬送されたが、死亡が確認された。不可解な母娘による無理心中。この真相を知るには、約2時間前に時計の針を戻す必要がある。

あんな赤い外車に乗ってる人は、こんな田舎町ではあの人しかいない

 37才の女性は14時18分、和歌山県和歌山市の自宅アパートから、取り乱した声で119番通報をしていた。

「娘の意識がない! 呼吸がない! 家に帰ったら娘が倒れていて血のような黒いものを吐いています!」

 和歌山市消防局の話。

「すぐに現場に到着しましたが、そのときも母親はかなり動揺している様子でした。ほかに4才の女の子と40代の男性がいて、すでに16才の女の子は心肺停止状態。腹部を中心に、アザがあったと救急隊から聞いています」

 自宅で亡くなっていたのは鶴崎心桜(こころ)さん(享年16)。アザや外傷は古い傷と新しい傷の両方が確認され、日常的に虐待を受けていた疑いが持たれている。検視の結果、死因は外傷性ショックだった。医療ガバナンス研究所理事長で内科医の上昌広氏が推察する。

「通報で“血のような黒いもの”と話していることから、腹部への暴行で胃が破裂し出血して、血液に含まれる鉄分が胃酸と混じって酸化したと思われます。肝臓などの内臓も破裂し、体の内側の腹腔で出血している場合は、出血多量の末の外傷性ショックとなります。それほどの強い衝撃が外から加わったのでしょう」

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン