意外な研究結果もある。慶應大学らの共同研究グループによれば65才未満で血液型がAB型の人は重症化リスクが高く、リスクが最も低いO型に比べて1.6倍高かった。
欧州20か国を対象とし、精神医学誌「ランセット・サイカイアトリー」に掲載された調査では、統合失調症や双極性障害など精神疾患を抱えている人は、コロナ感染による死亡率が1.5~2倍になった。研究者はその結果から、「精神疾患の患者はワクチン接種を優先すべき」と訴える。
気をつけるべき人は小柄な女性
逆に副反応リスクが高いのはどういう人だろうか。
日本では、2月17日から6月4日までにワクチンを接種した約1412万人のうち、196人が死亡。割合にすると、7万2000人に1人がワクチン後に亡くなったことになる。厚労省が分析を行った139例の死因トップは出血性脳卒中(31件)で、以下、心肺停止(19件)、心不全(17件)が続いた。
死亡者のタイプでは、心房細動や腎不全、脳梗塞などを有する人が目立つ。
「厚労省は接種に際し、『心臓、腎臓、肝臓、血液疾患などの基礎疾患がある人は注意が必要』と指摘しています。実際に心臓や腎臓、肝臓などの主要臓器に重篤な疾患を長期間患っている人は、外からはわからないが血管などの状態が悪化していることがあり、突然死のリスクが高く、ワクチン接種に伴うストレスが引き金になる可能性もあります」(中村さん)
5月28日には、兵庫県神戸市の73才女性がワクチンを打った後に容体が急変。呼吸が荒くなり緊急搬送されたが、病院に着いたときにはすでに心肺停止状態だったという。接種から3時間半あまりで死亡した。女性には、15年前から糖尿病の持病があった。
この女性のように、糖尿病や高血圧、高脂血症や肥満などの生活習慣病を持つ人が死亡するケースも数多い。
「生活習慣病があると、動脈硬化が進んで血管にダメージが蓄積します。するとワクチン接種による免疫反応性の炎症によって出血や血栓が生じやすくなり、副反応のリスクが高まると考えられます」(中村さん)