一石さんは「やせ型の若い女性」のリスクを指摘する。
「注射時の緊張や恐怖により、心臓や血管の働きを調節する副交感神経が過剰に働いて心臓の動きが弱くなり、脳への血流が減少する『血管迷走神経反射』が生じる可能性があります。若くやせ型の女性で起きやすいとされ、立ち眩みのように倒れてけがをする危険性があります」
子供へのワクチン接種も、国論を二分している。
いままでの日本においてのコロナ感染による死亡者は、60代以上の1万人超に対し、10代の死者はゼロだ。
12~15才への集団接種を始めた京都府伊根町に「人殺しに加担している」と批判が殺到。岡山県総社市も小・中学生への集団接種を予定していたが批判が集まったため取りやめ、個別接種に切り替えた。
上さんは「10代の接種の意義はある」と指摘する。
「この先は国内の流行が変異株であるインド株に急激に置き換わると考えられます。インド株は若年層でも多く感染して重篤化する可能性がある。若年層から上の世代に感染を広げていくリスクもあるため、10代からワクチンを接種して感染拡大を食い止めることは合理的です」(上さん)
小・中学生の接種は保護者の同意が前提となるので、「メリット」と「リスク」をしっかり考えたい。
ワクチンを接種すべきかどうかは個々の状況で異なる。特に持病がある人は、判断に迷うかもしれない。その場合は、専門家に相談するのがベストだ。
「接種の際に不安な点があれば、まずはかかりつけ医に相談すべきです。かかりつけ医がいない人は、これまでの病歴がわかる資料やお薬手帳などを持参して、ワクチン接種会場の問診医に尋ねてみてください」(一石さん)
メリットとリスクを天秤にかけて最適の選択をしたい。
※女性セブン2021年7月1・8日号