「テレビ離れ」に拍車をかけかねない?
5月に衝撃のデータが出たことも関係しているのか。NHK放送文化研究所の『国民生活時間調査』によれば、調査日にテレビを15分以上視聴した場合のみ『見た』として集計したところ、平日は10歳から15歳までは56%、16歳から19歳までは47%、20代51%と半数前後だっだと判明した。
「“テレビ離れ”が取り沙汰される中で、局にとって“若年層が見た”というデータは、嬉しいですよ。ただ、今回の“リアルタイムで1分以上視聴した”という集計方法だと、番組を長くやればやるほど、数字は自然と上がりますよね。これが、テレビにとって良いことだとは思えません。
今、YouTubeの主流は10分前後で手軽に見られる動画です。長い間、テレビの前に座って見続ける人自体は年々減っている。各局は数年前までの50代以上を狙うような番組作りから脱却し、若者へ訴求しようとしている。それなのに、長時間番組を肯定するようなデータを出してしまうと、“テレビ離れ”に拍車をかける要因となりかねないのではないでしょうか」
昨今、テレビ局内では番組を評価する際、ツイッターなどSNSで話題になったかも1つの指標とする節がある。
「正直、やたらと気にしますね。たしかに、反応があると良かったと思いますよ。でも、個人的には少し疑問があるんです。ネットをやりながらテレビを見ると、どうしても集中力は分散するじゃないですか。本当に番組にのめり込んだら、SNSに書き込まないと思うんですよね。もちろん、見終わった後に書き込んでくれる人もたくさんいるでしょうけど、“トレンド1位”はだいたい放送中に達成されているはず。