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立川こしら イベント感を重視する演出で聴かせる独自の『帯久』

 次の瞬間、鉄次郎が目を覚ますと、そこは懐かしい元の和泉屋だった。「予知夢だ」と思った鉄次郎は和泉屋が帯久に百両貸すのを阻止しようとするが失敗し、その後の展開は夢と同じで和泉屋は死罪に。

 また目が覚める鉄次郎。過去に戻ったと知り「今度こそ」と歴史の改変を試みるが失敗し、和泉屋は死罪に。次に目が覚めたのは帯久が百両返しに来た翌日で、時すでに遅し。和泉屋は火付けの罪に問われる。が、今度は裁きの場で異変が……。

 タイムループを“名奉行”というテーマに着地させる見事な結末。「これぞこしら!」という傑作だ。

【プロフィール】
広瀬和生(ひろせ・かずお)/1960年生まれ。東京大学工学部卒。音楽誌『BURRN!』編集長。1970年代からの落語ファンで、ほぼ毎日ナマの高座に接してきた。『21世紀落語史』(光文社新書)『落語は生きている』(ちくま文庫)など著書多数。

※週刊ポスト2021年7月2日号

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