国内

喫煙所閉鎖、酒類提供制限で溢れる人たち 五輪突入で渋谷・新宿は無法地帯になる

路上飲酒する若者にまん延防止の協力を呼びかける東京都の職員(新宿/時事通信フォト)

路上飲酒する若者にまん延防止の協力を呼びかける東京都の職員(新宿/時事通信フォト)

 東京都内でのコロナ感染者のリバウンド増加が続く中、五輪開幕に向けたカウントダウンが進む。週末の繁華街の人出はすっかりコロナ前に近い状態に戻り、路上喫煙や路上飲酒が問題視されている。このまま五輪に突入したらどうなってしまうのか──。ジャーナリストの山田稔氏が現場レポートする。

 * * *
 6月20日に緊急事態宣言が解除されて以降、再び新型コロナの感染者数が増えている東京。週末の繁華街を訪ねてみると、路上喫煙や路上飲酒をする若者などで溢れかえり、無秩序な状態となっている。

 若者の街・渋谷では、駅前のスクランブル交差点やセンター街はすごい人出となっており、若者を中心にカップル、グループ、買い物客などがひしめいている。かつて一世を風靡したガングロを彷彿させるような金髪で日焼けしたギャルの姿もある。道行く人はみなマスク姿だが、数人の若者はマスクさえもしていない。

公共喫煙所閉鎖で横行する「ポイ捨て」

 交差点近くにある公共喫煙所は閉鎖されたままである。「クラスター対策として、当面の間、この喫煙所は閉鎖いたします」との掲示がある。パーテーションの喫煙所の文字はガムテープが貼られ、見えなくなっている。

渋谷では閉鎖された喫煙所周辺でたばこを吸う人たちが後を絶たない(筆者撮影)

渋谷では閉鎖された喫煙所周辺でたばこを吸う人たちが後を絶たない(筆者撮影)

 そんな閉鎖喫煙所の周辺で、多数の人々が堂々と喫煙中だ。紙巻きたばこ派、加熱式たばこ派、それぞれが思い思いに喫煙している。アジア系外国人のグループもいる。

 足下をみるとポイ捨てされた無数の吸い殻と飲み終えたペットボトルが散乱している。しばらくたつと清掃員がやってきてこれをきれいにしていく。そして、清掃員がいなくなると再び喫煙者が方々から現れ、ポイ捨てが始まる。まさにいたちごっこである。

閉鎖された喫煙所前には無数の吸い殻がポイ捨てされている(渋谷/筆者撮影)

閉鎖された喫煙所前には無数の吸い殻がポイ捨てされている(渋谷/筆者撮影)

 次に池袋へ移動する。東口五差路交差点にあった2か所の公共喫煙所は撤去されていた。周辺で喫煙する人はいない。4月下旬にいったん閉鎖されたものの最近閉鎖が解除された駅前の喫煙所に向かうと、そこには50人ほどの喫煙者が群がっていた。

閉鎖が解除された喫煙所には愛煙家が群がり密状態に(池袋/筆者撮影)

閉鎖が解除された喫煙所には愛煙家が群がり密状態に(池袋/筆者撮影)

 パーテーションには「人との距離を1m以上あける」「向かい合って喫煙しない」「会話・電話等は控える」といったルールが掲示してある。そして喫煙所内の床面には「SOCIAL DISTANCE 皆様のご協力をお願いします」の文字とともに足形のマークが描かれている。

距離を空ける「喫煙ルール」が書かれているが…(池袋/筆者撮影)

距離を空ける「喫煙ルール」が書かれているが…(池袋/筆者撮影)

 大半の人はルールを守り、足形の上で喫煙しているが、喫煙所内の人が多過ぎて距離を取れていない人たちも見かける。2か所の公共喫煙所が閉鎖されたことで、この喫煙所に集中してしまっているのだろうか。

 ベンチや手すりに腰かけて人々が憩いのひと時を過ごしている中池袋公園(ハレザ池袋)には「夜間の飲食・飲酒は、ご遠慮下さい」の立て看板が掛けられていた。

路上での飲食・飲酒禁止を知らせる看板(池袋/筆者撮影)

路上での飲食・飲酒禁止を知らせる看板(池袋/筆者撮影)

 公園周辺の飲食街をぶらついて驚いた。「24時まで営業中 お酒提供中」とか「営業時間延長! 23時まで!」と堂々と表示している店があるではないか。緊急事態宣言は解除されたが、「まん延防止等重点措置」が適用されているので、酒類提供は午後7時までのはず。もはやお上のいうことには耳を貸さないということか。

関連記事

トピックス

“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト
『あんぱん』“豪ちゃん”役の細田佳央太(写真提供/NHK)
『あんぱん』“豪ちゃん”役・細田佳央太が明かす河合優実への絶対的な信頼 「蘭子さんには前を向いて自分の幸せを第一にしてほしい。豪もきっとそう思ったはず」
週刊ポスト
韓国アイドルグループ・aespaのメンバー、WINTERのボディーガードが話題に(時事通信フォト)
《NYファッションショーが騒然》aespa・ウィンターの後ろにピッタリ…ボディーガードと誤解された“ハリウッド俳優風のオトコ”の「正体」
NEWSポストセブン
「第65回海外日系人大会」に出席された秋篠宮ご夫妻(2025年9月17日、撮影/小倉雄一郎)
《パールで華やかさも》紀子さま、色とデザインで秋を“演出”するワンピースをお召しに 日系人らとご交流
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(左/共同通信、右/公式サイトより※現在は削除済み)
《“やる気スイッチ”塾でわいせつ行為》「バカ息子です」母親が明かした、3浪、大学中退、27歳で婚約破棄…わいせつ塾講師(45)が味わった“大きな挫折
NEWSポストセブン
池田被告と事故現場
《飲酒運転で19歳の女性受験生が死亡》懲役12年に遺族は「短すぎる…」容疑者男性(35)は「学校で目立つ存在」「BARでマジック披露」父親が語っていた“息子の素顔”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
NEWSポストセブン