やはり“白鵬人気”は凄いのかと売り場の担当者に聞くと、「(白鵬の)タオルは3日目で売り切れたんですが、もともと入荷数が他の上位力士より少なかったんです。倉庫にも在庫がなく、工場で製作するので早くて中日以降の入荷になると聞いています」と答える。場所に先立って用意されていた白鵬のタオルの枚数が少なかったというのだが、どんな事情があったのか。
「基本的に引退した力士の四股名入りグッズは販売されない。6場所連続休場で現役続行の瀬戸際に追い込まれている白鵬の四股名がプリントされたグッズは、引退した瞬間に“不良債権”になってしまう。在庫を抱えすぎないようにという考えが働くのは当然でしょう。もともと、引退によってお蔵入りとなったグッズは、その力士の引退相撲の興行の際のお土産としてまとめて買い上げられるケースが多いが、いまはコロナによって引退相撲のイベントも開けない。白鵬タオルの“入荷待ち”は、コロナ禍で角界が難しい運営を迫られていることの証左のひとつではないか」(協会関係者)
もちろん、売り場には出場停止中の朝乃山のグッズは置かれていない。「人気力士だったから相当、在庫はあっただろうが、幕内に戻ってくるのに2年はかかる。それまではお蔵入り」(同前)だという。コロナ、引退危機、スキャンダル……様々な不測の事態に振り回される様子が売り場の景色からも見えてくる。