スポーツ

夏競馬の格言「夏は牝馬を狙え」 検証したら間違いなかった

「夏は牝馬を狙え」は本当?(イメージ)

「夏は牝馬を狙え」は本当?(イメージ)

 誰もが夢見るものの、なかなか現実にならない“馬券生活”。「JRA重賞年鑑」で毎年執筆し、競馬を題材とした作品も発表している作家・須藤靖貴氏も、馬券生活を夢見る一人だ。そんな須藤氏が、万馬券ゲットのために、「夏は牝馬を狙え」など夏競馬の格言について検証した成果をお届けする。

 * * *
 夏が来た。ついでにオリンピックも。昭和39年生まれにとっては2度目。それなりに感慨深いものの、大事なのは夏競馬である。毎年、ほぼ夏競馬で負けている。暑さで緊張感が途切れてしまうせいか、府中や中山ほど地方予想に腰が入らぬせいか。それじゃいかんのだ。夏競馬に集中!

 常識を疑う新テーマである。格言は先人が導き出した経験値、世間知で、それを鵜呑みにするのはどうかと。競馬の予想はその瞬間そこにしかない唯一無二のもの。何もかもを自分で決めたい。

 夏競馬の格言で有名なのは「夏は牝馬を狙え」、「夏はあし毛に妙味」、そして「夏場の体重増は買い」など。とりわけ最初の「夏は牝馬」は周知だろう。ちなみに藤沢和雄調教師は自著『GIの勝ち方』(小学館)で「平均して夏に強いのは牝馬だ。逆に牡馬は弱い。それは間違いない」と断じる。何につけても牝馬のほうが我慢強いからだと。名伯楽の断言、説得力があるなぁ。

 高温多湿の日本の夏は疲弊することしきりだが、競走馬には悪いことばかりではない。発汗のおかげで筋肉がほぐれ、寒い時季よりも速く走れるという。ただし筋肉量の大きい牡馬は体内に熱が籠りやすく、睾丸が腫れあがる「夏負け」をしやすい。牝馬は体温調節に優れていて酷暑の影響を受けにくいのだ。じゃんじゃん汗をかいてぐびぐび水を飲むことで馬の体調は良くなる。さらに牝馬は発情期で戦闘能力が上がるなんて説もある。

 また夏場は調教もソフトになりがちで、軽めの調整でもなんとか仕上がる牝馬が良く走るとも。もうひとつ、地方開催は平坦なコースも多いというファクトを踏まえ、「牝馬は牡馬にパワー負けしにくい」というものもある。

 酷暑8月限定で、2016年までの5年間をさかのぼってデータを取った(JRA-VAN TARGET)。牡牝のレース1289回中、牝馬勝利は439回。その割合は.341。複勝率は.354。これが全月(1~12月)だと.245。複勝率は.252。牝馬、がんばっている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

「高市外交」の舞台裏での仕掛けを紐解く(時事通信フォト)
《台湾代表との会談写真をSNSにアップ》高市早苗首相が仕掛けた中国・習近平主席のメンツを潰す“奇襲攻撃”の裏側 「台湾有事を看過するつもりはない」の姿勢を示す
週刊ポスト
クマ捕獲用の箱わなを扱う自衛隊員の様子(陸上自衛隊秋田駐屯地提供)
クマ対策で出動も「発砲できない」自衛隊 法的制約のほか「訓練していない」「装備がない」という実情 遭遇したら「クマ撃退スプレーか伏せてかわすくらい」
週刊ポスト
真美子さんのバッグに付けられていたマスコットが話題に(左・中央/時事通信フォト、右・Instagramより)
《大谷翔平の隣で真美子さんが“推し活”か》バッグにぶら下がっていたのは「BTS・Vの大きなぬいぐるみ」か…夫は「3か月前にツーショット」
NEWSポストセブン
文京区湯島のマッサージ店で12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕された(左・HPより)
《本物の“カサイ”学ばせます》12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕、湯島・違法マッサージ店の“実態”「(客は)40、50代くらいが多かった」「床にマットレス直置き」
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《いきなりテキーラ》サンタコスにバニーガール…イケイケ“港区女子”Nikiが直近で明かしていた恋愛観「成果が伴っている人がいい」【ドジャース・山本由伸と交際継続か】
NEWSポストセブン
3年間に合計約818万円のガソリン代を支出していた平口洋・法務大臣(写真/共同通信社)
高市内閣の法務大臣・平口洋氏が政治資金から3年間で“地球34周分のガソリン代”支出、平口事務所は「適正に処理しています」
週刊ポスト
Mrs. GREEN APPLEのギター・若井滉斗とNiziUのNINAが熱愛関係であることが報じられた(Xより/時事通信フォト)
《ミセス事務所がグラドルとの二股を否定》NiziU・NINAがミセス・若井の高級マンションへ“足取り軽く”消えた夜の一部始終、各社取材班が集結した裏に「関係者らのNINAへの心配」
NEWSポストセブン
山本由伸(右)の隣を歩く"新恋人”のNiki(TikTokより)
《チラ映り》ドジャース・山本由伸は“大親友”の元カレ…Niki「実直な男性に惹かれるように」直近で起きていた恋愛観の変化【交際継続か】
NEWSポストセブン
米大リーグ、ワールドシリーズ2連覇を達成したドジャースの優勝パレードに参加した大谷翔平と真美子さん(共同通信社)
《真美子さんが“旧型スマホ2台持ち”で参加》大谷翔平が見せた妻との“パレード密着スマイル”、「家族とのささやかな幸せ」を支える“確固たる庶民感覚”
NEWSポストセブン
モデル・Nikiと山本由伸投手(Instagram/共同通信社)
《交際説のモデル・Nikiと歩く“地元の金髪センパイ”の正体》山本由伸「31億円豪邸」購入のサポートも…“470億円契約の男”を管理する「幼馴染マネージャー」とは
NEWSポストセブン
高校時代の安福容疑者と、かつて警察が公開した似顔絵
《事件後の安福久美子容疑者の素顔…隣人が証言》「ちょっと不思議な家族だった」「『娘さん綺麗ですね』と羨ましそうに…」犯行を隠し続けた“普通の生活”にあった不可解な点
「週刊ポスト」本日発売! 内部証言で判明した高市vs習近平「台湾有事」攻防ほか
「週刊ポスト」本日発売! 内部証言で判明した高市vs習近平「台湾有事」攻防ほか
NEWSポストセブン