川田は全馬の単勝124円、複勝94円。牝馬では112円・113円。さすがである。
だがなんといっても福永祐一だ。全馬では112円・86円と川田に劣る。ところが牝馬に跨ると191円・113円と突出。どのくらい牝馬にモテてるって話だ。上記期間での福永の通月回収率は100円・86円だから、これはもう「真夏のじゃじゃ馬ならし」である。
小倉男の浜中も8月の牝馬の単勝回収率は116円と気を吐くものの、福永のモテぶりには遠く及ばず。8月の福永が牝馬に跨るときは買い!
格言を疑ってデータを取ったら、新たな格言を拾えた。やってみてわかるデータ収集の醍醐味である。この8月はこれで行こう!
【プロフィール】
須藤靖貴(すどう・やすたか)/1999年、小説新潮長編新人賞を受賞して作家デビュー。調教助手を主人公にした『リボンステークス』の他、アメリカンフットボール、相撲、マラソンなど主にスポーツ小説を中心に発表してきた。「JRA重賞年鑑」にも毎年執筆。
※週刊ポスト2021年8月13日号