家庭的アピールから、仕事好きアピールへ
しかし葉子さんの結婚願望は強く、あきらめなかった。
かつて、地方のミスコンに出たこともある葉子さんは、それなりに容姿に自信があり、婚活を始めた頃は、プロフィール写真に自撮り写真を載せていたという。それを、知人のプロカメラマンに頼んで撮影した写真に変えた。「お金をかけました」。また婚活本を読んで、プロフィールの書き方を研究した。
「最初は、家庭的な性格をアピールしていたんです。料理が好きとか、手芸が好きとか。私、本当にそうなんですよ。でも、年齢を重ねた女性は仕事をアピールしたほうがいいというアドバイスを読んで、なるほどなと。好きな仕事をしているとか、男性とは対等な関係を望んでいるといった、自立した女です、というアピールに変えました」
実際、葉子さんは、大学を卒業してから現在まで、都内の大手IT系企業で働き続けている。だが、自分はバリキャリタイプではないと言う。仕事が好きというわけでも、デキるわけでもない。他の同期に比べて、出世もしていない。プライベートも仕事もバランスよく、適度にやりたいタイプで、一人では生きていけないと自己分析する。
「それでも私が若い女性に勝てるところといったら、働いてきたことくらいなので、そこをアピールしろというアドバイスは、理にかなっていると思いました」
もう一つ、追い風になったのが、コロナだと推測する。
「コロナになって、婚活市場への新規参入が増えたんじゃないかな。不安な世の中になって、結婚したい男性も増えたんじゃないでしょうか。といっても、結局のところ何が良かったのかはわからないんですが、コロナになったくらいから、同世代からのアプローチが増えたんです」
そうした頃だった、秀穂さんから、「いいね」をもらったのは。