芸能

田村正和さんの言葉「親父の考え方では今の芸能界には通用しない」

田村正和さんと父・阪東妻三郎さんとのエピソード

田村正和さんと父・阪東妻三郎さんとのエピソード

 映画史・時代劇研究家の春日太一氏による、週刊ポスト連載『役者は言葉でできている』。今回は、亡くなった田村正和さんが、時代劇の大スターだった父・阪東妻三郎さんと自分との役者としての違いについて語った言葉を紹介する。

 * * *
 田村正和が亡くなった。

 決して表で多くを語るタイプの役者ではなかったため、芸談や演技論にしても、各作品の出演エピソードにしても、それらについての「言葉」は、残念ながらほとんど残っていない。

 二〇〇三年一月十四日、NHKのBS2(当時)で放送されたドキュメント『駆けよバンツマ』では珍しく役者としてインタビューに答えている。

 これは正和の父である時代劇スター・阪東妻三郎を振り返った番組で、長男・高廣、三男・正和、四男・亮という父と同じ道に入った三人に会社経営者の次男・俊磨も勢ぞろい。兄弟が座を囲んで父の思い出を語り合っていた。

 この中で正和は決して発言の数は多くないものの、自分と父の役者としての違いを語っている。そこからは、短い言葉ではあるが、正和が俳優としての自分自身をどう捉えているかが垣間見えるものになっていた。

 幸い、その番組を録画していたので、その時の正和の発言をいくつか紹介してみたい。

「役者としてのバンツマを意識することはあるか」という質問には、次のように答えている。

「いやいや。全然意識してないですよ。役者としての生き方も僕と親父とは全然違うしね。

 それに時代も違いますから芝居の質も変わってきてるし、芸能界自体も変わってきてますからね。親父のことは全く考えてません。あくまでも自分の、芸能界でどういうポジションにいけるのかとか、それから自分の役者としてのスタイルがどういうスタイルなのかとか、自分の芝居がどういう芝居の種類なのか、全部自分で処理して、それを──なんていうか──パフォーマンスして、というかな。そういう形ですからね。親父のことは全くありません」

 前回の田中邦衛の時にも言えたことだが、田村正和も実は自分自身の置かれた状況やポテンシャルを冷静に見極めながら、役に臨んでいたことがうかがい知れる発言になっている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

茨城県水戸市のアパートでネイリストの小松本遥さん(31)が殺害された
《水戸市・31歳ネイリスト女性死亡》「『誰かのために働きたい』と…」「足が早くて活発な子」犯人逃走から6日間、地元に広がる悲しみの声
NEWSポストセブン
浅田真央と村上佳菜子の“断絶関係”に変化
《声をかけて寄り添って》浅田真央と村上佳菜子の“断絶関係”に変化 沈黙から一転、見られていた「雪解けの予兆」
NEWSポストセブン
新宿の焼肉店で撮影された動画が物議(左は店舗のInstagramより、右は動画撮影者より提供)
《テーブルの上にふっくらとしたネズミが…》新宿・焼肉店での動画が拡散で物議、運営会社は「直後に殺処分と謝罪」「ねずみは薬剤の影響で弱って落下してきたものと推察」
NEWSポストセブン
新年一般参賀に出席された秋篠宮家次女・佳子さま(2026年1月2日、撮影/黒石あみ)
《新年一般参賀で見せた“ハート”》佳子さま、“お気に入り”のエメラルドグリーンドレスをお召しに 刺繍とハートシェイプドネックがエレガントさをプラス
NEWSポストセブン
元仙台高裁判事の岡口基一氏
「裁判所当局が嫌がった核心は白ブリーフだった」 弾劾裁判で法曹資格を失った岡口基一氏が振り返る「岡口裁判の急所」とは 裁判所と司法記者クラブの問題点も指摘
NEWSポストセブン
新年一般参賀に出席された皇后雅子さま(2026年1月2日、撮影/黒石あみ)
《新年一般参賀の“ブルーリンク”コーデ》皇后雅子さまはスタンドカラーでフォーマルに、愛子さまはマオカラー風で親しみやすさを演出
NEWSポストセブン
ネイリストの小松本遥さん(31)が殺害された水戸市のアパート
「赤ちゃんをかばおうとしたのか…」「複数の凶器で犯行」水戸市で死亡のネイリスト女性(31)がかつて警察に相談していた“人間関係トラブル” 
NEWSポストセブン
1995年、チャリティーゴルフ前夜祭に参加した“ジャンボ”こと尾崎将司さん(左)と長嶋茂雄さん
【追悼・ジャンボとミスターの物語】尾崎将司さんと長嶋茂雄さん、昭和のスポーツ史に名を刻んだレジェンド2人の重なる足跡 ライバルと切磋琢磨し、後進の育成に取り組んだ
週刊ポスト
松田烈被告
「スマホから『映してください』と指示の声が…」ネットで“性的暴行してくれる人を募集”した松田烈被告(28)、被害女性が語った“外道すぎる犯行”
NEWSポストセブン
真美子さん(共同通信)が使用していたブランドとは
《ハワイ・ファミリーデートで真美子さんが持っていたプチプラバッグ》「同年代インフルエンサーのアスレジャーブランド」か?と話題に 実用性の高いトートバッグ、大谷は「娘のベビーカー担当」
NEWSポストセブン
郭広猛博士
【MEGA地震予測・異常変動全国MAP】「奥羽山脈周辺に“異常変動”が集中」「千葉県が大きく沈降」…2026年初めに警戒すべき5つの地域
週刊ポスト
ジャーナリストの溝口敦氏(左)とフリーライターの鈴木智彦氏
《溝口敦氏×鈴木智彦氏が対談》山口組抗争終結後の暴力団 勝ったはずの六代目山口組含めて勢力は縮小、トクリュウのほうが経済規模も大きく勢いがある現状
週刊ポスト