工場

小ぶりなショッピングモールほどの敷地内に低層のコンクリート建ての工場があった

 河野太郎ワクチン担当相は、「安全面で大きな問題があるとは報告を受けていない」と言い切り、厚労省の担当者は会見で「異物混入のワクチンを接種しても、重大な問題を引き起こすリスクは極めて低いと考えられている」とした。

 だが、キックボクサーのぱんちゃん璃奈(27才)は、接種が取りやめられたロットのワクチンを打った後に、呼吸が苦しくなり、上唇が腫れて、まひするといったアナフィラキシー反応のため救急搬送されたことを、自身のツイッターで明かした。

「彼女には金属アレルギーがあり、救急搬送後にアレルギー点滴などをして症状が落ち着いたそうです。搬送から3日後、接種したのが“異物混入ロット”であることを知り、驚いて副反応相談のコールセンターに電話をしても“異常はない。検査はできない”との対応だったこともツイッターで明かしました」(前出・全国紙社会部記者)

 28日にはさらなる衝撃が走った。同じく接種見合わせとなったワクチンを打っていた30才男性と38才男性が死亡していたことがわかったのだ。

「30才男性は広島在住で、異物混入ワクチンと同じ時期に同じ工場で製造されたワクチンを接種して、その3日後に自宅で死亡しているのが確認されました。また38才男性も使用見合わせワクチンを打った3日後に自宅で死亡していた。2人とも基礎疾患はなく、2回目の接種後に発熱して、熱が下がってから死亡しています。死因とワクチンの因果関係は不明で、今後は厚労省や国会で調査が行われる予定です」(前出・全国紙社会部記者)

 血液内科医の中村幸嗣さんが懸念する。

「気になるのは、該当ロットだけでなく製造ラインが同じワクチンまで使用を見合わせにしたこと。通常、異物混入があった場合、該当ロットのみを回収するので、今回は製造ラインそのものに問題があったのかもしれません」

 ワクチンはこれまで、接種後の重篤な副反応や、副反応が疑われる接種後の死亡が問題とされてきた。その真偽や責任の所在については、専門家によって見解が異なった。

 だが今回の異物混入は明らかに製造側に落ち度があり、法的責任が厳しく問われる事態ではないだろうか。加藤・浅川法律事務所の弁護士、加藤博太郎さんが指摘する。

「ワクチンは製造物責任法(PL法)の対象になり、モデルナ製を日本で輸入販売した武田薬品工業がその責任を負います。今回のケースでは、異物が原因で接種者が亡くなったり健康被害を被ったりしたと立証できれば、武田薬品工業の責任が追及されます。

 またスペインの工場の製造過程に過失があり、接種者が健康被害を受けていたら、業務上過失致死傷で現地の責任者の刑事責任が問われる。ただし、この場合は日本の警察が捜査するため、現地の捜査当局の協力が得られるかなど、実務上のハードルが高くなります」

 混入した異物について武田薬品工業はこうコメントする。

「現在、モデルナ社による調査が継続中であり、結果がわかり次第、両社は速やかな情報の開示に努めます。モデルナ社は、分析のため適切な検査機関に検体を送付しており、検査結果の速報は9月初旬までに判明する予定です」

 中村さんは「現地の工場の調査が必要」と指摘する。

関連キーワード

関連記事

トピックス

五輪出場を辞退した宮田
女子体操エース・宮田笙子の出場辞退で“犯人探し”騒動 池谷幸雄氏も証言「体操選手とたばこ」の腐れ縁
女性セブン
熱愛を報じられたことがないSixTONESジェシー
《綾瀬はるかと真剣交際》熱愛を報じられたことがないSixTONESジェシー「本当に好きな彼女ができた」「いまが本当に幸せ」と惚気けていた
女性セブン
伊藤被告。Twitterでは多くの自撮り写真を公開していた
【29歳パパ活女子に懲役5年6か月】法廷で明かされた激動の半生「14歳から援助交際」「友人の借金を押しつけられネカフェ生活」「2度の窃盗歴」
NEWSポストセブン
池江
《復活を遂げた池江璃花子》“母離れ”して心酔するコーチ、マイケル・ボール氏 口癖は「自分を信じろ」 日を追うごとに深まった師弟関係
女性セブン
中学の時から才能は抜群だったという宮田笙子(時事通信フォト)
宮田笙子「喫煙&飲酒」五輪代表辞退騒動に金メダル5個の“体操界のレジェンド”が苦言「協会の責任だ」
週刊ポスト
熱愛が発覚した綾瀬はるかとジェシー
《SixTONESジェシーと綾瀬はるかの熱愛シーン》2人で迎えた“バースデーの瞬間”「花とワインを手に、彼女が待つ高級マンションへ」
NEWSポストセブン
熱い男・松岡修造
【パリ五輪中継クルーの“円安受難”】松岡修造も格安ホテル 突貫工事のプレスセンターは「冷房の効きが悪い」、本番では蒸し風呂状態か
女性セブン
綾瀬はるかが交際
《綾瀬はるか&SixTONESジェシーが真剣交際》出会いは『リボルバー・リリー』 クランクアップ後に交際発展、ジェシーは仕事場から綾瀬の家へ帰宅
女性セブン
高校時代の八並被告
《福岡・12歳女児を路上で襲い不同意性交》「一生キズが残るようにした」八並孝徳被告は「コミュニケーションが上手くないタイプ」「小さい子にもオドオド……」 ボランティアで“地域見守り活動”も
NEWSポストセブン
高橋藍選手
男子バレーボール高橋藍、SNSで“高級時計を見せつける”派手な私生活の裏に「バレーを子供にとって夢があるスポーツにしたい」の信念
女性セブン
幅広い世代を魅了する綾瀬はるか(時事通信フォト)
《SixTONESジェシーと真剣交際》綾瀬はるかの「塩への熱いこだわり」2人をつなぐ“食” 相性ぴったりでゴールインは「そういう方向に気持ちが動いた時」
NEWSポストセブン
いまは受験勉強よりもトンボの研究に夢中だという(2023年8月、茨城県つくば市。写真/宮内庁提供)
悠仁さま“トンボ論文”研究の場「赤坂御用地」に侵入者 専門家が警備体制、過去の侵入事件を解説
NEWSポストセブン