(時事通信フォト)

野口健さんも(時事通信フォト)

 その後、何人かの従業員に声をかけるもみな言葉少なで「よくわからない」「知らない」と口が堅い。こちらの存在はすでにPR担当に知られており、神経質になっているのかもしれない──取材陣が天を仰いでいると、建物から40代くらいの男性従業員が出てきて、たばこを吸い始めた。最後のチャンスとばかりに話しかけると、男性は声をひそめてこう語った。

「日本で起きた事件については知っているけど、ぼくの口からは何も言えないんだ。会社から話さないように言われているから……」

 それだけ話すと男性は「ゴメンナサイ」とつぶやいて、建物のなかに消えていった。その直後、別の女性守衛が取材陣に駆け寄ってきて、「ここから立ち去りなさい!」と怖い顔で吐き捨てたため、工場から離れざるを得なかった──。

 何とか取材を続行しようと、現地の協力者を通じてロビ社の関係者にメールを送ると、こんな返信があった。

《当面、ロビ社の関係者はメディアに対して一切の発言をしない予定です。私たちがこの件に関して行ったいくつかのリリースが、現時点で私たちが提供できる唯一の情報です。私たちは、保健当局が必要とする情報をできるだけ早く提供し、何が起こったかを明らかにするための調査を行っている最中です。慎重を期すためにも、調査の完了を待たなければなりません》

 この文面通りに、真相解明はなされるだろうか。ロビ社の誠意ある対応を信じ、取材陣は疑惑の工場を後にした。

※女性セブン2021年9月16日号

該当ワクチンを接種していた益若つばさ

該当ワクチンを接種していた益若つばさ

昨年11月、スペインのペドロ・サンチェス首相が工場を視察するなどワクチン製造は”国家的事業”(写真/共同通信社)

昨年11月、スペインのペドロ・サンチェス首相が工場を視察するなどワクチン製造は“国家的事業”(写真/共同通信社)

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