1968年に発生した3億円事件は、1975年12月10日に時効を迎えた。いまも未解決(時事通信フォト)

1968年に発生した3億円事件は、1975年12月10日に時効を迎えた。いまも未解決(時事通信フォト)

 小樽市には日銀の支店があり、そうした縁からマニ30は小樽へ引き取られることになった。しかし、残りの5両は廃車されたと言われている。マニ30は貴重な車両のため、小樽市交通記念館が展示を開始した同年7、8月の来場者は、前年7、8月と比べて2000人以上も増加した。それだけ貴重で人気のあるマニ30なだけに、ほかの博物館から引き取りたいという声が出なかったとは考えづらい。

「なぜ残り5両を廃車にしたのかといった理由は、わかりません。昔のことなので、当時の事情を詳しく知る職員もいません。譲渡の経緯が記された資料も残っていないのです」(同)

 マニ30は長らく頑なに秘密にされてきた。しかし、2020年に本店の見学コースをリニューアルした際に、模型ながらも一般公開された。

 さらに日銀は「ご自宅から日本銀行本店の新見学コースをお楽しみいただけるよう、3DやVRの映像を活用したオンライン本店見学”おうちで、にちぎん”を2020年6月よりホームページにて公開しています」(同)といった具合に、オンラインでもマニ30を見られるようにしている。

 マニ30の存在は日銀史や鉄道史、そして日本の経済史において無視することはできない。しかし、タブーだったがゆえに、研究や解明は進められてこなかった。タブー視されていたマニ30の封印は、歳月とともに解けつつある。渋沢の一万円札が登場する2024年、マニ30の封印はどのぐらい解けているだろうか?

関連キーワード

関連記事

トピックス

元交際相手の白井秀征容疑者(本人SNS)のストーカーに悩まされていた岡崎彩咲陽さん(親族提供)
《川崎・ストーカー殺人》「悔しくて寝られない夜が何度も…」岡崎彩咲陽さんの兄弟が被告の厳罰求める“追悼ライブ”に500人が集結、兄は「俺の自慢の妹だな!愛してる」と涙
NEWSポストセブン
グラドルから本格派女優を目指す西本ヒカル
【ニコラス・ケイジと共演も】「目標は二階堂ふみ、沢尻エリカ」グラドルから本格派女優を目指す西本ヒカルの「すべてをさらけ出す覚悟」
週刊ポスト
阪神・藤川球児監督と、ヘッドコーチに就任した和田豊・元監督(時事通信フォト)
阪神・藤川球児監督 和田豊・元監督が「18歳年上のヘッドコーチ」就任の思惑と不安 几帳面さ、忠実さに評価の声も「何かあった時に責任を取る身代わりでは」の指摘も
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン
赤穂市民病院が公式に「医療過誤」だと認めている手術は一件のみ(写真/イメージマート)
「階段に突き落とされた」「試験の邪魔をされた」 漫画『脳外科医 竹田くん』のモデルになった赤穂市民病院医療過誤騒動に関係した執刀医と上司の医師の間で繰り広げられた“泥沼告訴合戦”
NEWSポストセブン
被害を受けたジュフリー氏、エプスタイン元被告(時事通信フォト、司法省(DOJ)より)
《女性の体に「ロリータ」の書き込み…》10代少女ら被害に…アメリカ史上最も“闇深い”人身売買事件、新たな写真が公開「手首に何かを巻きつける」「不気味に笑う男」【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
2025年はMLBのワールドシリーズで優勝。WBCでも優勝して、真の“世界一”を目指す(写真/AFLO)
《WBCで大谷翔平の二刀流の可能性は?》元祖WBC戦士・宮本慎也氏が展望「球数を制限しつつマウンドに立ってくれる」、連覇の可能性は50%
女性セブン
「名球会ONK座談会」の印象的なやりとりを振り返る
〈2025年追悼・長嶋茂雄さん 〉「ONK(王・長嶋・金田)座談会」を再録 日本中を明るく照らした“ミスターの言葉”、監督就任中も本音を隠さなかった「野球への熱い想い」
週刊ポスト
12月3日期間限定のスケートパークでオープニングセレモニーに登場した本田望結
《むっちりサンタ姿で登場》10キロ減量を報告した本田望結、ピッタリ衣装を着用した後にクリスマスディナーを“絶景レストラン”で堪能
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん(時事通信フォト)
笹生優花、原英莉花らを育てたジャンボ尾崎さんが語っていた“成長の鉄則” 「最終目的が大きいほどいいわけでもない」
NEWSポストセブン
日高氏が「未成年女性アイドルを深夜に自宅呼び出し」していたことがわかった
《本誌スクープで年内活動辞退》「未成年アイドルを深夜自宅呼び出し」SKY-HIは「猛省しております」と回答していた【各テレビ局も検証を求める声】
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん
亡くなったジャンボ尾崎さんが生前語っていた“人生最後に見たい景色” 「オレのことはもういいんだよ…」
NEWSポストセブン