芸能

いい出汁が出ている五十女 男にだらしない教師演じる大久保佳代子

大久保佳代子が“いい出汁”を出している

大久保佳代子が“いい出汁”を出している

 放送作家、タレント、演芸評論家で立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。タナダユキ監督作品『浜の朝日の嘘つきどもと』で、“いい出汁”を出している大久保佳代子についてつづる。

 * * *
 ビートたけしを“つるはし”で襲撃という衝撃が走った今週、ジタバタしてこのコラムも駆け足で「芸能アラカルト」。

 まず〈映画部門〉心がホカロンになったのが、いい映画を撮るのでおなじみのタナダユキ監督作品『浜の朝日の嘘つきどもと』。一度きいただけじゃタイトルを覚えられないというのが凄い。

 福島県南相馬に古くからある映画館「朝日座」。大正12年にできたとか。戦後、映画全盛になるも東日本大震災、福島の原発事故そしてこのコロナである。ボンヤリする支配人、これがなんと“落語界のキョンキョン”と呼ばれここ数年、調子づいてる柳家喬太郎。この映画館を立て直す為にやってくるのがお待たせ高畑充希。この高畑にあれこれ人生を教えちゃう高校教師が大久保佳代子という意表をついたキャスティング。さすがオアシズ、相方は今どこへ。この大久保が男にだらしなくて惚れちゃすてられ、やっちゃすてられ、それでも……大久保が五十女の切なさ可愛いさを好演。いい出汁が出ている。

〈ゲスト部門〉私のラジオにキャンディーズのランちゃんだった伊藤蘭がニューアルバム『Beside you』を持ってやってくるも、ゲストコーナーとして用意した40分間、ただひたすら笑っているだけ。旦那もよく来てくれるのだが、ズーッと笑ってるだけで『相棒』の時のように紅茶も入れずに帰っていく。ゲラとゲラの夫婦。笑う夫婦。それでも9月26日、日比谷野音、10月28・29日は中野サンプラザでコンサート。大阪でもやるようだ。笑っちゃいられない。

〈ラジオ部門〉ニッポン放送では昼私が喋って1時からナイツ。10月の2日(土曜日)からはサンドウィッチマンが1時からタップリ毎週2時間「何言ってるかわからない」トークをくり広げる。土曜の昼下りもニコニコ安泰。いまラジオ界に新しいリスナーがどんどん増えてきて三周まわってベテランの私が逆に新鮮らしい。あんまり自分の身の回りにこんなふざけた73歳いないものな。

〈テレビ部門〉ここ1か月間くらい毎週見てるんだがひっそり始まってた『紙とさまぁ?ず』がメチャクチャ東京味で面白い。たしか月曜の深夜0時前後、テレ東だと思った。「所詮俺達、関東ローカルの芸人だからな」とチクチク関西をからかうのも面白い。

〈訃報部門〉「ミスターショウアップナイター」元ニッポン放送の達人・深沢弘氏が亡くなった。長嶋茂雄氏の盟友だった。享年85。そしてジャン・ポール・ベルモンドも。享年88。うまい人からいなくなる。

イラスト/佐野文二郎

※週刊ポスト2021年10月1日号

関連記事

トピックス

初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
芸能活動を再開することがわかった新井浩文(時事通信フォト)
「ウチも性格上ぱぁ~っと言いたいタイプ」俳優・新井浩文が激ヤセ乗り越えて“1日限定”の舞台復帰を選んだ背景
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
小説「ロリータ」からの引用か(Aでメイン、民主党資料より)
《女性たちの胸元、足、腰に書き込まれた文字の不気味…》10代少女らが被害を受けた闇深い人身売買事件で写真公開 米・心理学者が分析する“嫌悪される理由”とは
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン