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「エクオール」が、体内でどれくらい作られているか調べられる。専用のキットで採尿し、封筒に入れて郵送するだけ。1~2週間で結果がわかる。『エクオール検査 ソイチェック』(ヘルスケアシステムズ提供)

 腟内フローラの乱れは、更年期の女性にとっても重大な問題だ。

「閉経に近づいて女性ホルモンの分泌が低下していくと、腟が萎縮し、おりものが排出されにくくなって腟が乾いてくる。すると、これまで腟内を守っていた乳酸桿菌が増殖できなくなり、雑菌が入ってしまいます。腟内フローラが乱れ、腟炎などのトラブルが増えます」

 こうした加齢に伴う腟内フローラの乱れに有効とされるのが、大豆に含まれるイソフラボンだ。腸内に存在する「エクオール産生菌」がイソフラボンを食べると、「エクオール」という女性ホルモンの働きをサポートする物質を生み出す。ただし、いくら大豆を食べても無意味な人もいる。

「エクオール産生菌が体内にまったく存在しない人もいます。その場合、大豆製品を食べても意味がありません。エクオール産生菌が腸内にいるか、しっかり働いているか、それによって更年期障害のつらさが変わるだけでなく、更年期以降も若々しく生きられるのか、急に老け込むのか、明確な差が出ます」

 日本人女性の半数以上が、エクオール産生菌を持っていないともいわれる。その場合は、エクオールをサプリメントで補う必要がある。エクオール産生菌を保有しているか否かは、尿検査のキット『ソイチェック』でも調べられるので、気になる人は試してみるといい。

「しかし、エクオール産生菌を保有している人でも、腸内フローラが乱れていたら菌が思うように働けず、エクオールをつくり出せません。また、腸内フローラと腟内フローラにどれくらい関連性があるのかは解明されていませんが、甘いものを食べると腸内にカンジダ菌が増え、腟内にも増えて腟炎を起こすという指摘もある。腟内フローラを健やかに保つためにも、腸内環境は重要なのです」

 いくら“インナーケア”に気を使っていても、体の外側からダイレクトに腟内フローラを乱す恐れがある。桐村さんが、「最もよくない」と指摘するのが、温水洗浄便座の「ビデ」機能だ。

「性交渉などで腟内に雑菌が入ったとしても、腟の自浄作用で洗い流すことができます。しかし、ビデを使って腟の中に水が入ると、腟の常在菌を水で流してしまう上、水の中の雑菌が腟内に入り込んで腟内フローラが乱れてしまう。同様に、お風呂で腟の中まで洗うのもNGです。洗うのは表面だけにしてください」

 食事、睡眠、ストレスなど、腟内フローラが乱れる原因はさまざま考えられるが、まずは潔癖を直すところから始めたい。

※女性セブン2021年9月30日・10月7日号

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