スポーツ

新横綱・照ノ富士の快進撃に何を思う 生みの師匠・二代目若乃花を直撃

新横綱として堂々の活躍を見せる照ノ富士(写真=JMPA)

新横綱として堂々の活躍を見せる照ノ富士(写真/JMPA)

 横綱昇進場所でその地位に相応しい相撲を見せた新横綱・照ノ富士。所属部屋が伊勢ヶ濱部屋であることは広く知られているが、実は2010年12月に入門したのは「間垣部屋」だった。

 入門時の四股名は「若三勝」。当時、間垣部屋の師匠だった元横綱・二代目若乃花が大関時代まで名乗った「若三杉」にちなんだ四股名だった。

 照ノ富士にとって、2013年3月に間垣部屋の閉鎖で移籍した先の伊勢ヶ濱親方(元横綱・旭富士)が“育ての師匠”にあたり、二代目若乃花は“生みの師匠”になるわけだ。

“土俵の鬼”と呼ばれた初代若乃花の弟子としてその四股名を継いだ二代目若乃花は68歳になるが、2013年12月に相撲協会を退職後、消息が伝えられたことはほとんどない。照ノ富士の横綱昇進の際も、“生みの師匠”の祝福コメントが報じられることはなかった。

 その二代目若乃花は現在、大阪の高齢者向け住宅に入居している。本誌記者は、照ノ富士の快進撃についてコメントを求めたが──。

「オレは照ノ富士のことは関係ないから」

 そう言い残すと、それ以上、取材に応じることはなかった。

 背景には、照ノ富士の入門当時、間垣部屋が“緊急事態”にあったことが関係していそうだ。若手親方が語る。

「間垣親方は2007年に脳出血で倒れて入院。一命を取り留めたが車椅子の生活となった。さらに部屋の関取だった若ノ鵬が2008年8月に大麻問題で解雇され、協会の理事を辞任している。入門する力士はおらず、経済的にも困窮していた。2010年2月の理事選では貴乃花親方と一緒に二所ノ関一門を割って出たが、貴乃花親方の支援を期待した部分もあったでしょう」

 そうしたなかで入門したのが照ノ富士だった。

「部屋は衰退の一途で、弟子も照ノ富士以外に三段目の力士が2人いるだけ。そのうち1人は車椅子生活の間垣親方の世話のために稽古もできない状況だった。ちゃんこ代にも窮して、お客さんがいない時は鍋料理が出なかったそうです。照ノ富士も素質がありながら幕下で低迷していた」(同前)

関連キーワード

関連記事

トピックス

生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト
麻辣湯を中心とした中国発の飲食チェーン『楊國福』で撮影された動画が物議を醸している(HP/Instagramより)
〈まさかスープに入れてないよね、、、〉人気の麻辣湯店『楊國福』で「厨房の床で牛骨叩き割り」動画が拡散、店舗オーナーが語った実情「当日、料理長がいなくて」
NEWSポストセブン
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
50歳で「アンパンマン」を描き始めたやなせたかし氏(時事通信フォト)
《巨大なアンパンマン経済圏》累計市場規模は約6.6兆円…! スパイダーマンやバットマンより稼ぎ出す背景に「ミュージアム」の存在
NEWSポストセブン
保護者を裏切った森山勇二容疑者
盗撮逮捕教師“リーダー格”森山勇二容疑者在籍の小学校は名古屋市内で有数の「性教育推進校」だった 外部の団体に委託して『思春期セミナー』を開催
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
新宿・歌舞伎町で若者が集う「トー横」
虐待死の事例に「自死」追加で見えてきた“こどもの苛烈な環境” トー横の少女が経験した「父親からの虐待」
NEWSポストセブン
京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”とは(左/YouTubeより、右/時事通信フォト)
《芸舞妓を自宅前までつきまとって動画を回して…》京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”「防犯ブザーを携帯する人も」複数の被害報告
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 万引き逮捕の350勝投手が独占懺悔告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 万引き逮捕の350勝投手が独占懺悔告白ほか
NEWSポストセブン