芸能

監督デビューの安藤政信 「恩返しの連鎖」知った北野武の“言葉”

安藤政信

俳優、フォトグラファーにとどまらず、映画監督としても表現の幅を広げる安藤政信

 オムニバス映画『MIRRORLIAR FILMS Season1』が9月17日より公開中だ。山下敦弘(45才)、安藤政信(46才)ら注目のクリエイターが監督を務めた9つの短編から成る映画制作プロジェクトである本作。この内の1つ『さくら、』で、俳優でありフォトグラファーとしても活動する安藤政信が映画監督デビューを果たした。安藤に、作品に込めた思いを聞いた。

 1996年、北野武(74才)が監督を務めた映画『キッズ・リターン』で鮮烈なデビューを飾り、深作欣二監督(享年72)や三池崇史監督(61才)など数々の名匠の作品に出演してきた安藤。日本のみならず、蔡明亮(ツァイ・ミンリャン、63才)や陳凱歌(チェン・カイコー、69才)といったアジアの名監督の作品でも存在感を放ってきた。そうした得がたい経験は、自らの監督としての自信にも繋がっているという。安藤が話す。

「名だたる監督の下で仕事をした経験は、もちろん俺の血肉になってます。自分の経験を生かせば、俺も絶対に映画が撮れるっていう確信もありました。『MIRRORLIAR FILMS』はシーズン4まであって、最終的には36作品でコンペティションが行われるんです。俺はもちろん1位を獲るつもりで『さくら、』を作りました」(安藤、以下同)

 安藤監督のこだわりは、カメラの長回しやシーンの大胆な省略など、緩急を付けた見せ方の随所にうかがえる。劇伴(劇中で流れる音楽)でもそのセンスは光っており、洗練されたビートが印象的だ。音楽を手掛けたのは、ビートメイカーとして活動するKM/Brodinski & Modulawだ。

「打合せでKM/Brodinski & Modulawには、ラマ教のお経を聞いてもらったんですよ。人間関係のもつれのイメージを不協和音に託しつつ、ラマ教の女尊と男尊の合一のイメージというか、男女が絡み合って合体する感覚も表現してもらいました。

『さくら、』は当初、映像同様に脚本に書かれたセリフもかなり強烈だったんですけど、修正していくなかで、柔らかくなっていったんですね。しかし、いざ、撮影した映像を観てみると、ちょっと違和感が残った。だったらいっそセリフは抑制しようということで、編集段階でセリフのあるカットをかなり削ったんです。その余白に劇伴がハマることで、作品のテーマが補強されましたね」

関連キーワード

関連記事

トピックス

お笑いトリオ「ジャングルポケット」の元メンバー・斉藤慎二。9ヶ月ぶりにメディアに口を開いた
【休養前よりも太ってしまった】元ジャンポケ斉藤慎二を独占直撃「自分と関わるとマイナスになる…」「休みが長かった」など本音を吐露
NEWSポストセブン
約40年、地元で愛された店がラーメンをやめる(写真提供/イメージマート)
《SNS投稿やグルメサイトの弊害》あっという間に人気飲食店になったことを嘆く店の人たち 問い合わせが殺到した中華料理店は電話を撤去、行列ができたラーメン店は閉店を決めた 
NEWSポストセブン
TOKIOの国分太一(右/時事通信フォトより)
《TOKIO解散後の生活》国分太一「後輩と割り勘」「レシート一枚から保管」の節約志向 活動休止後も安泰の“5億円豪邸”
NEWSポストセブン
大谷翔平の新投球スタイルを分析(Getty Images)
《二刀流復活》進化する“投手・大谷翔平” 「ノーワインドアップ」と「シンカーボーラーへの移行」の新スタイルを分析
週刊ポスト
中山美穂さんをスカウトした所属事務所「ビッグアップル」創設社長の山中則男氏が思いを綴る
《中山美穂さん14歳時の「スケジュール帳」を発見》“芸能界の父”が激白 一夜にしてトップアイドルとなった「1985年の手帳」に直筆で記された家族メモ
NEWSポストセブン
結婚式は6月26日に始まり3日間行われた(時事通信フォト)
《総額72億円》Amazon創始者ジェフ・ベゾス氏の豪華結婚式、開催地ベネチア住人は「億万長者の遊び場に…」と反発も「朝食17万円、プライベートジェット100機貸し切り」で市長は歓迎
NEWSポストセブン
藤川監督(左)の直訴を金田氏(右)が存命であればどう評したか
阪神・藤川球児監督の「練習着にハーフパンツ着用」直訴で思い出される400勝投手・金田正一さんの言葉「大投手になりたければふくらはぎを冷やしたらアカン」
NEWSポストセブン
「札幌のギャグ男」公式インスタグラムより
《特別支援学級編入を決断した当事者の声》「小3の知能で止まっている」と宣告された中学1年生が抱えた“複雑な思い”「母さんを楽にしてやれるって思ったんだ」
NEWSポストセブン
STARTO ENTERTAINMENTの取締役CMOを退任することがわかった井ノ原快彦
《STARTO社取締役を退任》井ノ原快彦、国分太一の“コンプラ違反”に悲しみ…ジャニー喜多川氏の「家族葬」では一緒に司会
NEWSポストセブン
仲睦まじげにラブホテルへ入っていく鹿田松男・大阪府議(左)と女性
石破“側近”大阪府連幹部の府議、本会議前に“軽自動車で45分ラブホ不倫” 直撃には「知らん」「僕と違う」の一点張り
週刊ポスト
国民民主党から公認を取り消された山尾志桜里氏の去就が注目されている(時事通信フォト)
「国政に再挑戦する意志に変わりはございません」山尾志桜里氏が国民民主と“怒りの完全決別”《榛葉幹事長からの政策顧問就任打診は「お断り申し上げました」》
NEWSポストセブン
中居正広氏と被害女性の関係性を理解するうえで重大な“証拠”を独占入手
【スクープ入手】中居正広氏と被害女性との“事案後のメール”公開 中居氏の「嫌な思いをさせちゃったね。ごめんなさい」の返事が明らかに
週刊ポスト