都心は定員増やせぬジレンマも
このように都心回帰が進み、23区内に大学も新設されている。しかし、その一方で東京23区にある大学について、2028年の3月末まで定員増が行えない法律が制定された。学生の東京一極集中を避け、地方創生の一環として、地方の大学・短大の存続を可能にするためだ。
23区では大学新設はおろか、定員増となる学部増設も行えず、各大学の都心回帰も一時中断になってしまった。ただ、2020年から国の肝いりで始まった専門職大学は例外になっており、都心に新設されている。
数々の法律によって振り回されてきた大学のキャンパス移転問題。場所によっては受験人気も大きく左右するだけに、今後の動向も注目される。
●文/安田賢治(大学通信常務取締役 情報調査・編集部ゼネラルマネージャー)