本誌・週刊ポスト2021年10月15・22日号(10月4日発売)では、測量学の世界的権威である村井俊治・東大名誉教授の「MEGA地震予測」を掲載し、切迫度順で危険度1位を「東北」、2位を「首都圏」として、特に東北は〈青森と岩手の間に歪みが溜まっている〉と指摘した。
その後、10月6日に岩手県沖地震、10月7日に千葉県北西部地震と、震度5強の揺れが青森、そして首都圏を襲った。今後はどうなるのか。緊急取材した。村井氏が語る。
「東北と首都圏の地震後もエネルギーは放出されきっておらず、今後も各地で大地震が起きる可能性は高いと考えています」
MEGA地震予測は、国土地理院が全国約1300か所に設置した電子基準点のGPSデータを使って地表の動きを捉え、基準点の1週間ごとの上下動の「異常変動」、長期的な上下動の「隆起・沈降」、東西南北の動きの「水平方向の動き」という3つの主な指標を総合的に分析する。昨年以降はAI(人工知能)による危険度判定や、衛星画像の解析も導入した。
それらを駆使した最新の予測結果が、以下の5つの警戒ゾーンである。
東北警戒ゾーン
太平洋側は震度5クラスの地震の常襲地帯だ。
「秋田県の電子基準点『鳥海』で7cm以上の『異常変動』が観測されており、日本海側も要注意です。『水平方向の動き』では、福島県と茨城県の境目で動きが変わるので、その間に歪みが溜まっていると考えられます」(以下、「」内は村井氏)
北海道・青森警戒ゾーン
10月上旬の最新のAIによる危険度判定では、北海道は東北に次ぐ全国2位となっている。
「『水平方向の動き』では、青森県東方沖を中心とする反時計回りの大きな動きが見られる。衛星画像の解析では、岩手の地震後も北海道と東北で地震の前兆と思われる異常が観測されています」