スポーツ

失速の巨人 中畑氏が感じた原監督の異変、桑田コーチ起用と中田獲得

今年は“なんで?”と感じることが多かったという(時事通信フォト)

今年は“なんで?”と感じることが多かったという(時事通信フォト)

 3連覇目前だった原巨人が大失速し、借金を抱えてシーズンを終えた。歴代3位のリーグ優勝9回、さらに日本一3回、WBC制覇と輝かしい実績を持つ名将・原辰徳監督の策がことごとく裏目に出る。なぜ、こんなことになったのか──。

 9月以降の成績は10勝25敗8分。勝負所で勝ち抜くのが昨年までの原巨人の真骨頂だったが、その面影は見られず、Bクラス転落を防ぐのが精一杯だった。

 巨人OBは原監督の今季の戦いぶりをどう見ただろうか。第2次長嶋政権で一軍打撃コーチ、2012年から2015年までDeNAの監督を務めた中畑清氏も首をかしげる。

「辰ちゃんは間違いなく名将です。勝つためには私情を挟まず非情になれる。対戦した際に、1点のために4番の(阿部)慎之助に送りバントを命じた時は驚いた。

 ただ、今年は“なんで?”と感じることが多かったね。最初は桑田(真澄)を投手チーフコーチ補佐に就任させた時。昨年までリーグ連覇でスタッフ同士の関係も、選手とのコミュニケーションもうまくいっていたのに。シーズン中にコーチの入れ替えがあるたびに“なんで”って。8月の中田翔のトレードも疑問だった。こうした“モヤモヤ”がチーム内でも積み重なって、プレーにも影響を与えたのかもしれない」

 今季の原監督の采配で批判が集中したのは9月から始めた先発投手の中4日、5日起用だった。「今年の巨人は信頼できる先発投手が足りず、首位争いで接戦を落とさないためには短い間隔で登板させるしかなかった」(巨人番)

 だが、先発が相次いで打ち込まれ、本拠地最終戦でかろうじてエース菅野智之が勝ち星を挙げたが、46年ぶりの22戦連続先発投手白星なしという不名誉な記録になった。

 V9戦士の黒江透修氏はチームの雰囲気の重さを口にする。

「選手から気持ちが見えてこなかった。野手は坂本(勇人)がまとめていたけど、投手の起用法について原監督やコーチに進言してもよかったんじゃないか。ただ、原監督がシーズン途中から“こんなチームではどうしようもない”という気持ちになっていたようだから、選手にもそういう覚悟が芽生えなかったのだろう」

※週刊ポスト2021年11月12日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
JR東日本はクマとの衝突で71件の輸送障害 保線作業員はクマ撃退スプレーを携行、出没状況を踏まえて忌避剤を散布 貨物列車と衝突すれば首都圏の生活に大きな影響出るか
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《全国で被害多発》クマ騒動とコロナ騒動の共通点 “新しい恐怖”にどう立ち向かえばいいのか【石原壮一郎氏が解説】
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
”クマ研究の権威”である坪田敏男教授がインタビューに答えた
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン