相手の先発投手次第で起用したい選手も
現役時代に仰木監督の元でプレーしたことのある梨田昌孝氏は、近鉄監督時代の2000年4月4日の本拠地開幕戦でファン投票によるオーダーを作った。この時はハガキ、インターネット、球団のオフィシャルショップ、オープン戦開催日の本拠地・大阪ドームでポジション別に応募する方法を取った。中間発表では右ヒジ故障中の高須洋介が二塁手部門で1位になっていたが、最終的には水口栄二が選ばれ、他のポジションも中村紀洋、ローズ、クラークなど順当なメンバーとなった。
ただ、10日前に締め切られたファン投票では相手の先発投手までは読めなかった。ダイエーの右投手の永井智浩に対して、梨田監督は捕手に左打ちの磯部公一を使いたかったようだが、ファン投票で選ばれた的山哲也を先発起用せざるを得なかった。結局、的山は2打席で退き、試合は8対3で敗れている。開幕をビジターで迎え、オリックスに0点、2点で連敗した後の1戦だっただけに、梨田監督は自ら打線をテコ入れできず、“ファン投票打線”に縛られた格好となった。
「新庄監督は『ファンが選ぶスタメン試合を検討しています』とはツイートしたものの、公式戦ともオープン戦とも日本シリーズとも書いていない。これからいろんな事情を考えながら、方針を決めていくでしょう。今回はファンサービスの面が強いですが、他球団は『何をするかわからない』という印象を抱く。相手に心理的な影響を与える点でも、新庄監督の発信力は大きな武器となりそうです」
就任決定早々、話題を振りまく新庄監督。来季の日本ハムは台風の目となりそうだ。