「鮭のちゃんちゃん焼き」
食べ歩いた美味を再現したメニューも
外食で食べて気に入ったメニューを、自分で作ってみることも多い。劇団員や演劇ユニット時代を過ごした大阪の店、40歳で東京進出してから行きつけになった店、公演やロケで訪れた地方の店など、さまざまな店で出会った味を自分のものにしてきた。
「30歳を超えてアルバイトしなくても食えるようになってからは、美味しいと評判のお店に顔を出せるようになりました。食べるのも大好きなので、あそこのお店のあれが美味しいから食べに行こうよって、人を誘うことも多いです。お店で食べた味を自分で作るときは、定番の美味しさプラスαが肝だと思うから、そのαを探ります。例えば炒めるときにオイルではなくマヨネーズを使うなど、味がピタッと決まるまで何回か作ることもあります」
こうして生まれたメニューは約100種類、「マスCurry do(マスカレード)」などオリジナルも多い。
「マスCurry doは、僕が作るカレーだからと仲間が名付けたもの。そもそもの始まりはハヤシライスとカレーを両方食べたいときはどうすべきかという葛藤でした(笑)。僕の料理は、身近な材料で手軽に作れるものばかり。ぜひ皆さんにも作って、味わっていただきたいです。感想もお待ちしています!!」
【プロフィール】
升毅(ます・たけし)/1955年生まれ。東京都出身。近畿大学在学中に演劇を始め、1985年に演劇ユニット「賣名行為」を結成。1991年に劇団「MOTHER」を立ち上げ、関西演劇界で人気を博す。1995年に上京し、NHK連続テレビ小説『あさが来た』(2015年)、映画『八重子のハミング』(2017年)などに出演。最新主演映画『歩きはじめる言葉たち 漂流ポスト3.11をたずねて』が公開中。
撮影/阿部吉泰
※週刊ポスト 2021年11月19・26日号