フランス北部オネンにあるトヨタの工場。工員がヤリスクロスのチェックをしている(イメージ、AFP=時事)

フランス北部オネンにあるトヨタの工場。工員がヤリスクロスのチェックをしている(イメージ、AFP=時事)

「まあ、10万キロ超えた15年落ちの不人気車なら乗り出し30万でもあるけど、みんなどんな車でもいいってわけにはいかないからね。用途も好みもあるから難しいんだよ」

 確かに、不人気どころか無人気の型落ちセダンなら車種によっては安いだろうが、みなミニバンが欲しい、RVが欲しい、軽でなきゃだめと最低限のこだわりは当然ある。この地域では比較的駐車場も安く持ち家率も高いだろうが、都市部なら置き場所の問題やそれに伴うサイズもある。

「新車も結局それだよ。たとえばトヨタなら来年1月に届くのもあれば半年待ちもある。でもすぐ買えるからって気に入らない車を何百万も出して買わないよね」

 ディーラーや仕様によって前後するがハイブリッド車に限ればクラウンやヴェルファイア、プリウス(PHV除く)なら来年1月くらい、ヤリスクロスやハリアー、プラドなどは半年待ちと幅がある。反面、ライズはZグレード以外なら「年内納車も可能」とのことで、大トヨタですら半導体不足による生産の混乱が続いている。その他もおおむね3ヶ月待ちといったところか。

「新車買える人ばかりじゃないし、さっきの電話もそういう人だよ」

 都会では金が無かったら車なんか買う必要はないが、田舎は金が無くても車が必要になる。ここが都市部との大きな違いで、じゃあ1時間に数本の電車で、1日何便来るかわからないバスでとはいかない。例えば山梨県の75歳以上の返納率は11.9%と全国ワースト2位(警察庁『令和2年版運転免許統計』)、高齢者のほとんどは80歳になろうと90歳になろうと運転する。むしろ足腰が弱るからこそ運転せざるを得ない。高齢者でも現役で働いているとか年金で新車を買えるほど恵まれている人ならともかく、収入の少ない高齢者を中心に安い中古で済ませようという層は一定数いる。田舎は金が掛からないなんて幻想だ。

「それにガソリンも(価格が)上がってるでしょ? だからハイブリッド車も人気が集中して、(業者の)オークションでも高いんだよ」

 ガソリン価格も高騰しているが、この地域はとくに高くレギュラーにもかかわらず1リットル170円を超えている(11月上旬時点)。ハイブリッド車の中古は駆動用バッテリーが劣化するので高くつく場合がある。だからそれほどの人気にはならなかったのだが、原油高でハイブリッド人気がじわじわと上がっている。

「海なし県は高いんだよ、輸送コストがかかるからね。だからハイブリッド車、それと軽だ」

関連キーワード

関連記事

トピックス

遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《大谷翔平バースデー》真美子さんの“第一子につきっきり”生活を勇気づけている「強力な味方」、夫妻が迎える「家族の特別な儀式」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
田久保眞紀市長の学歴詐称疑惑 伊東市民から出る怒りと呆れ「高卒だっていい、嘘つかなきゃいいんだよ」「これ以上地元が笑いものにされるのは勘弁」
NEWSポストセブン
東京・新宿のネオン街
《「歌舞伎町弁護士」が見た性風俗店「本番トラブル」の実態》デリヘル嬢はマネジャーに電話をかけ、「むりやり本番をさせられた」と喚めき散らした
NEWSポストセブン
横浜地裁(時事通信フォト)
《アイスピックで目ぐりぐりやったあと…》多摩川スーツケース殺人初公判 被告の女が母親に送っていた“被害者への憎しみLINE” 裁判で説明された「殺人一家」の動機とは
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《女優・遠野なぎこのマンションで遺体発見》近隣住民は「強烈な消毒液の匂いが漂ってきた」「ポストが郵便物でパンパンで」…関係者は「本人と連絡が取れていない」
NEWSポストセブン
記者が発行した卒業証明書と田久保市長(右/時事通信)
《偽造or本物で議論噴出》“黄ばんだ紙”に3つの朱肉…田久保真紀・伊東市長 が見せていた“卒業証書らしき書類”のナゾ
NEWSポストセブン
JESEA主席研究員兼最高技術責任者で中国人研究者の郭広猛博士
【MEGA地震予測・異常変動全国MAP】「箱根で見られた“急激に隆起”の兆候」「根室半島から釧路を含む広範囲で大きく沈降」…5つの警戒ゾーン
週刊ポスト
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト
東川千愛礼(ちあら・19)さんの知人らからあがる悲しみの声。安藤陸人容疑者(20)の動機はまだわからないままだ
「『20歳になったらまた会おうね』って約束したのに…」“活発で愛される女性”だった東川千愛礼さんの“変わらぬ人物像”と安藤陸人容疑者の「異変」《豊田市19歳女性殺害》
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で、あられもない姿をする女性インフルエンサーが現れた(Xより)
《万博会場で赤い下着で迷惑行為か》「セクシーポーズのカンガルー、発見っ」女性インフルエンサーの行為が世界中に発信 協会は「投稿を認識していない」
NEWSポストセブン