長谷川理恵

長谷川が手掛けるヴィーガンスイーツキット販売サイト「KUMAJIRO(クマジロウ)」(https://kumajiro.shop/)がオープン。乳製品や卵、白砂糖。小麦粉不使用の「メープルソルトクッキー」などが手軽に作れる

 さらに松田さんは、砂糖も同じように徹底的に口にしていないと話す。

「砂糖はサトウキビやサトウダイコンを加工して作ります。自然界に存在しない、いわば“加工食品”です。加工する段階で食物繊維やビタミン、ミネラル、ファイトケミカルといった植物に含まれる有用な物質がほぼ排除されてしまいます。糖をエネルギー源にするにはビタミンやミネラルが必要ですが、砂糖にはそれらの栄養素が含まれないため、体に蓄えている栄養素を使わなければならない。

 体内のビタミンやミネラルのバランスが崩壊すると免疫力が低下します。過去の研究で、30gの砂糖を摂った後の5時間は免疫力が25%下がるという報告もある。人類の長い歴史で砂糖を常用するようになったのは過去100年余りであり、人間の体は砂糖を食べて健康を維持するようにはできていないのです。老化も加速してしまいます」

 砂糖の摂りすぎは、バター以上に体に悪影響を及ぼすといわれている。近藤さんも指摘する。

「砂糖は生命を維持するために必要なエネルギー源ではありますが、過剰摂取すると余分な糖がたんぱく質や脂肪と不正常な結びつきをして変性します。それが『糖化』と呼ばれる現象で、老化を促進するといわれる。肌のたるみやくすみ、動脈硬化、骨粗しょう症など、あらゆる組織に悪影響を及ぼします」

 砂糖の摂りすぎが精神疾患と関連する可能性もわかってきた。今年11月、東京都医学総合研究所は、思春期に砂糖を過剰摂取すると統合失調症などの精神疾患リスクになり得ると発表した。

マウス実験では、砂糖を過剰摂取すると脳の毛細血管に炎症が起こり、神経細胞の栄養となるグルコース(ブドウ糖)を取り込む力が低下していることもわかった。グルコースの取り込みが低下すると、脳の神経細胞に栄養が充分行き届かず、精神疾患につながる恐れがある。

「かねてから、砂糖が精神的な部分に与える影響は問題視されてきました。砂糖を摂取するとドーパミンやセロトニン、ノルアドレナリンといった神経物質が脳内で分泌され、幸福感、癒しを得られます。それ自体は悪いことではないのですが、砂糖を摂りすぎると依存のような状態になり、食べないとイライラしやすくなってしまいます。

 さらに、砂糖の摂りすぎで急激に血糖値が上がると、それを下げるためインスリンが過剰分泌され、血糖値が急下降する。眠気、疲労感、頭痛、手の震えなどが起こりやすくなります。

 すると今度は血糖値を上げようと脳内からアドレナリンやノルアドレナリンといったホルモンが分泌され、イライラ、恐怖感、不安感に襲われたり、人によっては感情がコントロールできなくなることもある。それを鎮めるため再び甘いものを食べる……と負のスパイラルに陥ってしまうのです」(近藤さん)

 バターや砂糖の摂りすぎは、体と心を危険にさらす危険があるようだ。

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