国内

アベノマスク、不具合アプリ、Go To中止 コロナ失政のツケは3296億円

なぜこうも杜撰な金遣いができるのか…(時事通信フォト)

なぜこうも杜撰な金遣いができるのか…(時事通信フォト)

 公務員の待遇や処罰を決める人事院と並び、国の無駄遣いを調査する会計検査院は“役所の番人”として知られている。検査院は11月5日、2020年度決算の検査報告を岸田文雄・首相に提出し、公表した。

 報告書によると、税金の無駄遣いや不適切経理などと指摘されたのは210件、総額で2108億円にのぼっている。1件あたりの指摘で最も金額が大きいのが、財務省の「造るあてのない記念貨幣用の金地金」で1601億円だった。

 一方、2019~20年度で国が新型コロナ対策として計上した予算は総額65兆4165億円(770事業)にも上っていたことも明らかになったが、無駄遣いとは指摘されず。

 これにはカラクリがある。検査院はコロナ対策事業についても調査を実施していて、有効性が疑わしい9件を指摘しているが、金額を計上していない。理由について検査院は「コロナ対策の緊急性などを考慮し、会計検査院に基づく“無駄遣い”などの指摘は見送った」と説明するが、なかには緊急性という理由ではまかり通らない「失政」が含まれている。

 1つ目は「アベノマスクの保管代」だ。厚労省と文科省は、3億1811万枚の布製マスクを442億6000万円で調達したが、不良品が続出し世間から批判を浴びた。マスク不足が解消したこともあり、昨年7月で全戸配布を中止した。以降、厚労省は「介護施設など希望施設に配布する」方針に切り替えたが、今年3月末までの8か月で配った枚数は約1640万枚に過ぎず、計8272万枚が在庫として保管されていた。

 この行き場のないアベノマスクの8か月間の保管料が6億96万円かかっている。現在は、さらに8か月経過しているため、単純計算で保管料は10億円を超える。

「10月末時点での布製マスクの在庫は約8130万枚です。会計検査院の調査から7か月で140万枚を配布しています。

 保管料は預けている分量単価で契約しているため、年度末にならないとわかりませんが、現在は日本通運に保管を委託しており、指摘された8か月間と比べると低い額になるはずです」(厚労省医政局経済課)

 そもそもアベノマスクは不良品が続出したため検品業務が発生し、総額21億円もの追加予算がかかっている。小さなマスクは大きな損害を残した。

関連記事

トピックス

水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
3大会連続の五輪出場
【闘病を乗り越えてパリ五輪出場決定】池江璃花子、強くなるために決断した“母の支え”との別れ
女性セブン
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン