総額1000憶円超の「議員特権費用」

総額1000憶円超の「議員特権費用」

キャンセル料はどこに消えたのか

 コロナ感染者との接触を知らせるアプリ「COCOA(ココア)」の開発も検査院は「委託先への指示が不明確だった」と指摘しているが、金額としては計上されていない。

 昨年6月に運用が始まったが、同年9月以降、陽性者と接触しても通知が届かないという不具合が報告されていたにもかかわらず、厚労省が問題を把握したのは4か月後だった。厚労省は4月に検証報告を公表したが、開発会社に責任転嫁する有り様だった。経済ジャーナリストの荻原博子氏は一連の経緯についてこう語る。

「ココアは、元請け会社が厚労省の基準を超えた比率で再委託を繰り返していました。厚労省はこれを特例として認めた以上、発注時点から実施、遂行に掛けて、管理監督、チェックをするのが仕事です。結局、厚労省の怠慢で、何のために開発したのかわからない代物になってしまいました」

 開発費の3億8000万円はまさに金をドブに捨てたようなものだ。

 指摘された事業のなかで最大の金額が「Go Toトラベル」のキャンセル料負担である。昨年7月から始まった「Go To」は、その後、感染者の急増を受け、東京や大阪など5都市の旅行や、年末年始の全国への旅行に対する補助が一時停止された。その際、すでに予約をしていた人々が旅行業者に支払うキャンセル料を観光庁が全額負担することとした。

 キャンセル料は旅行日が近くなるほど高くなる。だが、観光庁は「キャンセル料の迅速な支払いを優先した」とし、一律旅行代金の35~50%を補償する方針とした。結果として、旅行業者に支払ったキャンセル料は1157億円に達している。うち96億円はそもそもキャンセル料が発生しない旅行日の21日以上前に取り消された旅行だった。

「キャンセル料は旅館や卸業者、リネン業者などに公平に配分する取り決めでしたが、観光庁は確認を怠っていました。困っている観光業界の人に行き渡っていないという報道もあり、中抜きしている業者があるのではないかと疑っています」(荻原氏)

関連記事

トピックス

今季のナ・リーグ最優秀選手(MVP)に満票で選出され史上初の快挙を成し遂げた大谷翔平、妻の真美子さん(時事通信フォト)
《なぜ真美子さんにキスしないのか》大谷翔平、MVP受賞の瞬間に見せた動きに海外ファンが違和感を持つ理由【海外メディアが指摘】
NEWSポストセブン
国仲涼子が語る“46歳の現在地”とは
【朝ドラ『ちゅらさん』から24年】国仲涼子が語る“46歳の現在地”「しわだって、それは増えます」 肩肘張らない考え方ができる転機になった子育てと出会い
NEWSポストセブン
柄本時生と前妻・入来茉里(左/公式YouTubeチャンネルより、右/Instagramより)
《さとうほなみと再婚》前妻・入来茉里は離婚後に卵子凍結を公表…柄本時生の活躍の裏で抱えていた“複雑な感情” 久々のグラビア挑戦の背景
NEWSポストセブン
インフルエンサーの景井ひなが愛犬を巡り裁判トラブルを抱えていた(Instagramより)
《「愛犬・もち太くん」はどっちの子?》フォロワー1000万人TikToker 景井ひなが”元同居人“と“裁判トラブル”、法廷では「毎日モラハラを受けた」という主張も
NEWSポストセブン
兵庫県知事選挙が告示され、第一声を上げる政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏。2024年10月31日(時事通信フォト)
NHK党・立花孝志容疑者、14年前”無名”の取材者として会見に姿を見せていた「変わった人が来るらしい」と噂に マイクを持って語ったこと
NEWSポストセブン
千葉ロッテの新監督に就任したサブロー氏(時事通信フォト)
ロッテ新監督・サブロー氏を支える『1ヶ月1万円生活』で脚光浴びた元アイドル妻の“茶髪美白”の現在
NEWSポストセブン
ロサンゼルスから帰国したKing&Princeの永瀬廉
《寒いのに素足にサンダルで…》キンプリ・永瀬廉、“全身ブラック”姿で羽田空港に降り立ち周囲騒然【紅白出場へ】
NEWSポストセブン
騒動から約2ヶ月が経過
《「もう二度と行かねえ」投稿から2ヶ月》埼玉県の人気ラーメン店が“炎上”…店主が明かした投稿者A氏への“本音”と現在「客足は変わっていません」
NEWSポストセブン
自宅前には花が手向けられていた(本人のインスタグラムより)
「『子どもは旦那さんに任せましょう』と警察から言われたと…」車椅子インフルエンサー・鈴木沙月容疑者の知人が明かした「犯行前日のSOS」とは《親権めぐり0歳児刺殺》
NEWSポストセブン
10月31日、イベントに参加していた小栗旬
深夜の港区に“とんでもないヒゲの山田孝之”が…イベント打ち上げで小栗旬、三浦翔平らに囲まれた意外な「最年少女性」の存在《「赤西軍団」の一部が集結》
NEWSポストセブン
スシローで起きたある配信者の迷惑行為が問題視されている(HP/読者提供)
《全身タトゥー男がガリ直食い》迷惑配信でスシローに警察が出動 運営元は「警察にご相談したことも事実です」
NEWSポストセブン
「武蔵陵墓地」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月10日、JMPA)
《初の外国公式訪問を報告》愛子さまの参拝スタイルは美智子さまから“受け継がれた”エレガントなケープデザイン スタンドカラーでシャープな印象に
NEWSポストセブン