GAPはエディー・バウアーの二の舞になるか
いま、日本で残っているアメカジブランドではGAPがありますが、やはり価格戦略で迷走し、苦戦が続いています。
元祖ファストファッションの雄、GAPも日本市場で苦戦が続く
上陸からずっとGAPの定価設定は高く、シーズンによっても異なりますが、ジーンズが7900円~1万円台前半でした。これが在庫処分になると990円~2900円にまで値下がりするのですから、定価自体に信用がなくなるのは当たり前です。そして、そうした大幅値下げが常態化していました。
GAPはようやく重い腰を上げて、2020年秋冬から定価設定の引き下げ、セールを常態化しないことを宣言しました。一例を挙げるとジーンズの定価は3990円~4990円となりましたが、コロナ禍によって売れ行きが鈍ったのか、セールの変革はすでに店頭では頓挫しており、引き下げた定価をさらに割引販売するという新たなセールの常態化が出現しています。
GAPの苦戦についても、定価設定への不信感に加えて、やはりアメカジテイストが国内市場では受け入れられにくくなっているのではないかと個人的には見ています。
ユニクロはアメカジテイストをベースにした部分はありますが、現在は「ユニクロU」や「+J」と言ったデザイナーズコラボラインで目先の変化を付けているばかりでなく、ビジカジラインやスポーツ系を増やしています。
ジーユーもデザイナーコラボのほか、国内トレンドファッションをメインにしつつメンズビジカジラインもあり、国内では無敵を誇る2ブランドともにアメカジ色はメインの潮流ではありません。
一方でアメカジを得意としてきたジーンズ専門店チェーン各社はコロナ禍前から苦戦に陥っています。価格面も含めてユニクロやジーユーとの競争に負けたという部分もあるでしょうが、やはり、「純然たるアメカジテイスト」が受け入れられなくなったのでしょう。
エディー・バウアーは心機一転、遠からず再上陸するのではないかという噂が業界内にあります。もし、再上陸するのであれば、高価格・高機能な本格的アウトドアブランドにシフトする必要があるでしょう。ブランド価値を再構築できなければ、再び上陸したところで同じ結果が待っていると思います。