単調なアメカジの割に値段が高かった
ではエディー・バウアーの業績がコロナ禍前でも振るわなかった理由は何かというと、商品計画や出店戦略が日本国内市場に合っていなかったからだと考えます。
エディー・バウアーは「老舗アウトドアブランド」と位置付けられていますが、個人的に商品を見ると、現在国内で支持を集めているアウトドアブランドに比べると「機能性」という点が弱く、個人的には「アウトドア」というより「カジュアル寄り」に見えました。
その割にはジャケットが2万円前後、長袖シャツ7000円弱、パンツ1万円台などと、他のカジュアルブランドと比べると割高感がありました。
また、撤退が発表された時点でのエディー・バウアーの国内店舗数はアウトレット店を含んで56店舗でしたが、出店場所は路面店、ファッションビルに加えてイオンモールやららぽーとなどにも相当数入店していました。
路面店やファッションビルならまだしも、ららぽーとやイオンモールでは競合のカジュアルブランドと比較すると明らかに値段が高すぎ、売れ行きが伸び悩むのも当然だったように思います。
「ノースフェイス」や「スノーピーク」、「モンベル」などの高機能なアウトドアブランドならその価格でも通ったのかもしれませんが、日本人の目にはエディー・バウアーはあくまでもアウトドアテイストのカジュアルブランドと映り、同施設内で競合する「ユニクロ」や「GAP」、「ワークマンプラス」などと比べると明らかに高すぎるという印象を持たれたのでしょう。
おまけにファッション性もそれほど高くはなく、単調な無地・ベーシックなチェック柄のシャツなど、どちらかというとベーシックなアメカジでしたので、やはりその価格でコンスタントに売り上げを伸ばすのは難しかったと思います。