東日本大震災時の津波。南海トラフ地震では、約2倍の高さで到達する(共同通信社)
「気象庁が南海トラフ地震との関連性を否定した2つの地震は、太平洋プレートに押される形で、南海トラフ地震を引き起こすフィリピン海プレートが活発に動いたことにより発生しています。しかも、地震のエネルギーを表すマグニチュードに対して揺れ(震度)が大きく、揺れるエリアも広かった。通常はM4.9なら震度は3程度。これまでの常識に当てはまらない“異常なこと”が起きているんです。私は、南海トラフ地震はすでに始まりつつあるとみています」(高橋さん)
フィリピン海プレートの境界線には、南海トラフの北東側に「相模トラフ」と呼ばれる震源域もある。南海トラフ地震は相模トラフ地震と連動して、巨大地震に発展する可能性もあるという。
「“スーパー南海地震”と呼んでいますが、被害は茨城県沖から沖縄、さらには台湾まで広範囲に及びます。政府は南海トラフ地震の死者数を約32万人と推測していますが、スーパー南海地震が発生すれば、私の試算では50万人近くの死者が出ます」(高橋さん)
実際に地震の連鎖は170年ほど前にも起きている。1854年、M8.4の安政東海地震が起こると、その32時間後には紀伊半島沖を震源とするM8.4の安政南海地震が発生。甚大な被害が出たことが記録に残されている。
スーパー南海地震は、さらなる重大危機を誘発する可能性があるというのだ。
※女性セブン2022年1月1日号