「自分の周りで起こる出来事の一つひとつ、すべてが『学問』だと思ってください」

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自分の人生を占いで切り拓く

 テレビ業界では引っ張りだこで、出す本はすべてベストセラー。“花道”を歩き続けた細木さんだが、「テレビの仕事の充電期間を設けたい」という理由で2008年3月、突如として表舞台から姿を消す。その陰には、過去に行っていた墓石販売に関して霊感商法めいた方法があったのではないかという批判や暴力団との関係を示唆する報道など、占いそのものよりも細木さんの私生活が話題を集めてしまったこともある。テレビのレギュラーから姿を消して13年、彼女はひっそりと息を引き取った。多くの人の頬を叩き、背中を押した“細木節”はもう聞くことができない。

 しかし、六星占術の本は2022年も出版される。彼女が残した占い文化は永遠に残る。

「細木さんの『六星占術』をきっかけに、風水や数秘術、算命学など占いにはさまざまな種類があること、単なるレクリエーションではなく研究や統計に基づいたものだということがわかった。こうした占いを知り、やってみることでこれまではただ受け入れるしかなかった自分の人生を、“運勢”という目で見て、いい方向に変えていけるかもしれない、という希望を持つことができました」(60代女性)

 精神科医の和田秀樹さんが解説する。

「女性は長い間、家や子供のために尽くすべきだとされてきて、結婚相手や嫁いだ家次第で未来が変わってしまう状況に置かれていた。ずっと“誰か”に人生を決められてきたともいえます。

 そんな中で占いは、“運勢”や“星の動き”といった客観的な要素で背中を押し、寄り添ってくれる。占いの結果で人生が左右される人も多いのです。

 昔に比べて自由に人生を選べるようになったいまも、コロナ禍で最も影響を受けているのが非正規で働く女性たちであり、女性の方が社会情勢の影響を受けやすい事実は変わっていません。こうした状況が続く限り、占いに助けを求める人は存在するでしょう」

 細木さんも生前「悪い予言はいい予言に変えられる」と発言していた。「地獄に落ちる」に代表される数々の過激な言葉も、悲劇に陥る前に気づいて幸運に好転させてほしいという願いゆえだったという。

「普段は優しい表情の先生がカメラの前に出ると厳しい顔つきになって、“死ぬわよ”と一喝する。だけどそこには『そのくらいの気持ちを持って、気を引き締めて行動してほしい』という気持ちが込められていたのだと思う。

 占いは、悩みを持った人に希望を持って生きてもらうために、背中を押して元気を与える。その意味で、細木先生は日本のお茶の間を明るくしたと思います」(おさる)

 愛のムチの言葉はもう聞くことができないけれど、私たちは自分の人生を切り拓けるはずだ。

※女性セブン2022年1月1日号

占い師として異端の存在だった

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「先祖を供養するということは、同時に報恩・感謝の心を持つということ」

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「私の占いに1つもはずれはない。ただし悪い予言は良い予言に変えられる」

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「衣食住がきちんとしていれば、占いなんか必要ない」

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娘のかおりさん。子供3人に孫も2人いる

娘のかおりさん。子供3人に孫も2人いる(写真/共同通信社)

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