芸能

『アバランチ』主演の綾野剛 左右の顔で異なる絶妙な感情表現

綾野剛もアラフォー俳優の1人

わずかな左右の表情差で視聴者を魅了する綾野剛

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は、ドラマ『アバランチ』で主演を務める、俳優の綾野剛について。

 * * *
 今クールの秋ドラマももうすぐ最終回。それなのに、回を重ねるごとにその演技をもっと見たいと思わせる俳優がいる。『アバランチ』(カンテレ・フジテレビ系)で主演を務める綾野剛さんだ。昨年放送のドラマ『MIU404』(TBS系)での刑事役や、映画『ヤクザと家族The Family』のヤクザ役に続き、キレと躍動感のある動きや多彩な表情に引き込まれていく。

 タイトルの「アバランチ」は、日本語で「雪崩」という意味。富と権力を持つ“強者”だけでなく、一般市民においてもモラルハザードが叫ばれる令和の日本を舞台に、謎に包まれた集団・アバランチの過激で痛快な活躍を描き、人々の正義感に訴えかける劇場型ピカレスク(悪漢)・エンターテインメントだ。

 綾野さんが演じるのは、悪漢ではあるが本当の悪と戦うアバランチのメンバーで、元警視庁公安部外事三課の羽生誠一。仲間が殉職した3年前のテロ事件で唯一生き残ったという役だ。仲間の死という過去を背負いつつ、正義のために悪と対峙し、事件の真相に迫っていくこの役が、綾野さんにはよく似合う。

 綾野さんは、人間の持つ明るさと暗さ、優しさと厳しさ、喜びと悲しみ、静穏さと凶暴さ、そんな両極に位置する感情の変化を演じるのが上手い。感情が瞬時にすっと切り替わり、まるでスイッチが入ったように目の表情や色が変わっていく。特に見せ場となるシーンで顔がアップになると、顔の右側は硬い真剣な表情で静かな怒りや恐れを見せていても、左側ではかすかに笑いながら、目には底しれぬ悲しみと憤怒が潜んでいる。右目と左目で演じている感情が微妙に違って見えるのだ。

 そんな綾野さんの表情が、特に印象的だったのが第8話。渡部篤郎さん演じる、事件の黒幕である官房副長官の大山健吾が、日本版CIA創設のためにアバランチを犯人に仕立て、テロの偽装を阻止しようとするが、仲間の1人が捉えられてしまう。それを木村佳乃さん演じる特別犯罪対策企画室長でアバランチのリーダー・山守美智代から知らされた羽生は、大山のもとに行くと言い、直接対峙するというストーリーだ。

関連記事

トピックス

奥田瑛二
映画『かくしごと』で認知症の老人を演じた奥田瑛二、俳優としての覚悟を語る「羞恥心、プライドはゼロ。ただ自尊心だけは持っている」
女性セブン
『EXPO 2025 大阪・関西万博』のプロデューサーも務める小橋賢児さん
《人気絶頂で姿を消した俳優・小橋賢児の現在》「すべてが嘘のように感じて」“新聞配達”“彼女からの三行半”引きこもり生活でわかったこと
NEWSポストセブン
NEWS7から姿を消した川崎アナ
《局内結婚報道も》NHK“エース候補”女子アナが「ニュース7」から姿を消した真相「社内トラブルで心が折れた」夫婦揃って“番組降板”の理由
NEWSポストセブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【厳戒態勢】「組長がついた餅を我先に口に」「樽酒は愛知の有名蔵元」六代目山口組機関紙でわかった「ハイブランド餅つき」の全容
NEWSポストセブン
真美子夫人とデコピンが観戦するためか
大谷翔平、巨額契約に盛り込まれた「ドジャースタジアムのスイートルーム1室確保」の条件、真美子夫人とデコピンが観戦するためか
女性セブン
日本テレビ(時事通信フォト)
TBS=グルメ フジ=笑い テレ朝=知的…土日戦略で王者・日テレは何を選んだのか
NEWSポストセブン
今シーズンから4人体制に
《ロコ・ソラーレの功労者メンバーが電撃脱退》五輪メダル獲得に貢献のカーリング娘がチームを去った背景
NEWSポストセブン
「滝沢歌舞伎」でも9人での海外公演は叶わなかった
Snow Man、弾丸日程で“バルセロナ極秘集結”舞台裏 9人の強い直談判に応えてスケジュール調整、「新しい自分たちを見せたい」という決意
女性セブン
亡くなったシャニさん(本人のSNSより)
《黒ずんだネックレスが…》ハマスに連れ去られた22歳女性、両親のもとに戻ってきた「遺品」が発する“無言のメッセージ”
NEWSポストセブン
主犯の十枝内容疑者(左)共犯の市ノ渡容疑者(SNSより)
【青森密閉殺人】「いつも泣いている」被害者呼び出し役の女性共犯者は昼夜問わず子供4人のために働くシングルマザー「主犯と愛人関係ではありません」友人が明かす涙と後悔の日々
NEWSポストセブン
不倫疑惑に巻き込まれた星野源(『GQ』HPより)とNHK林田アナ
《星野源と新垣結衣が生声否定》「ネカフェ生活」林田理沙アナが巻き込まれた“不倫疑惑”にNHKが沈黙を続ける理由 炎上翌日に行われた“聞き取り調査”
NEWSポストセブン
ハワイの別荘と合わせて、真美子夫人との愛の巣には約40億円を投資
【12億円新居購入】大谷翔平、“水原一平騒動”で予想外の引っ越し 日系コミュニティーと距離を置き“利便性より静けさ”を重視か
女性セブン