国内

安倍元首相の後継者問題が深刻化 地元をライバルの林外相に奪われる危機も

安倍元首相の跡継ぎ問題はどうなる?(写真は岸信夫氏と長男の信千世氏/2021年8月)

安倍元首相の跡継ぎ問題はどうなる?(写真は岸信夫氏と長男の信千世氏/2021年8月)

 安倍晋三・元首相は父の晋太郎氏が率いた「安倍派」を復活させ、12月6日には新会長お披露目を兼ねた盛大な派閥パーティーを開催した。政界のキングメーカー、いわば“令和の闇将軍”の座を不動のものにしたかに見える安倍氏だが、その意気軒昂な姿とは裏腹に、足元に大きな不安を抱えている。

 今後の政治を左右しそうなのが、岸田首相が面従腹背で“安倍離れ”を急いでいることだ。岸田首相は、これまで「数の力」で自民党を支配してきた麻生太郎・副総裁と、幹事長に抜擢した茂木敏充氏と11月16日と22日の2回にわたって会談を開き、「定期的に会合を開いて政権運営を話し合う」ことを確認した。今後は岸田派、麻生派、茂木派(旧竹下派)の3派が主流派を形成し、“安倍抜き”で決めていくということだ。

 安倍氏にすれば、最大派閥の領袖になった途端、岸田首相から“あなたの出番はもうない”と包囲網を敷かれたのだ。

 安倍氏のもうひとつの不安が、安倍家の後継者問題だ。自民党内には、安倍氏と昭恵夫人に子供がなく、安倍家に後継者がいないことを「最大の政治的弱点」と見る向きもある。

「安倍家の後継者」と「安倍氏の政治力」には関係がないように思われるが、そうではない。

 今回の総選挙で石原伸晃氏が落選した途端に石原派が解体に追い込まれたように、派閥を率いるには選挙に強いことが絶対の条件だ。政治ジャーナリスト・野上忠興氏がいう。

「日本の政治風土においては、安倍氏のような世襲政治家の家系は後継者の存在が不可欠です。後継者がいれば、地元後援会の結束は強まる。総理を輩出してきた派閥領袖の家系ならなおさらです。

 3世議員の安倍氏は祖父や父以来の固い地盤に守られ、選挙には滅法強い。しかし、安倍氏と昭恵氏に子供がおらず、総理を辞めて代替わりを準備しなければならない時期なのに、地盤を継がせる後継者が決まっていない。地元にも、派内にも、危機感がある」

 仮に安倍家に後継者が立たず、政治的に“お家断絶”となれば、派閥の跡目をめぐっても2代の首相を輩出した福田家のプリンス・達夫氏(総務会長)の求心力が高まることになる。

 それに加えて、安倍氏の地元・山口県は「1票の格差」是正で次の総選挙では現在の4選挙区が3選挙区に減らされ、「区割り変更」が行なわれる。人口比や地域的に安倍氏の山口4区と山口3区の大部分が合併される可能性が高い。

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷翔平(写真/アフロ)
大谷翔平、不動産業者のSNSに短パン&サンダル姿で登場、ハワイの高級リゾードをめぐる訴訟は泥沼化でも余裕の笑み「それでもハワイがいい」 
女性セブン
今の巨人に必要なのは?(阿部慎之助・監督)
巨人・阿部慎之助監督「契約最終年」の険しい道 坂本や丸の復活よりも「脅かす若手の覚醒がないとAクラスの上位争いは厳しい」とOBが指摘
週刊ポスト
中居正広氏の近況は(時事通信フォト)
《再スタート準備》中居正広氏が進める「違約金返済」、今も売却せず所有し続ける「亡き父にプレゼントしたマンション」…長兄は直撃に言葉少な
NEWSポストセブン
不倫報道の渦中にいる永野芽郁
《ベリーショートのフェミニスト役で復活》永野芽郁が演じる「性に開放的な女性ヒロイン役」で清純派脱却か…本人がこだわった“女優としての復帰”と“ケジメ”
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の一足早い「お正月」》司組長が盃を飲み干した「組長8人との盃儀式」の全貌 50名以上の警察が日の出前から熱視線
NEWSポストセブン
垂秀夫・前駐中国大使へ「中国の盗聴工作」が発覚(時事通信フォト)
《スクープ》前駐中国大使に仕掛けた中国の盗聴工作 舞台となった北京の日本料理店経営者が証言 機密指定の情報のはずが当の大使が暴露、大騒動の一部始終
週刊ポスト
タレントとして、さまざまなジャンルで活躍をするギャル曽根
芸人もアイドルも“食う”ギャル曽根の凄み なぜ大食い女王から「最強の女性タレント」に進化できたのか
NEWSポストセブン
新恋人A氏と交際していることがわかった安達祐実
安達祐実、NHK敏腕プロデューサーと「ファミリー向けマンション」半同棲で描く“将来設計” 局内で広がりつつある新恋人の「呼び名」
NEWSポストセブン
還暦を迎えられた秋篠宮さま(時事通信フォト)
《車の中でモクモクと…》秋篠宮さまの“ルール違反”疑う声に宮内庁が回答 紀子さまが心配した「夫のタバコ事情」
NEWSポストセブン
熱愛が報じられた長谷川京子
《磨きがかかる胸元》長谷川京子(47)、熱愛報道の“イケメン紳士”は「7歳下の慶應ボーイ」でアパレル会社を経営 タクシー内キスのカレとは破局か
NEWSポストセブン
三笠宮妃百合子さまの墓を参拝された天皇皇后両陛下(2025年12月17日、撮影/JMPA)
《すっごいステキの声も》皇后雅子さま、哀悼のお気持ちがうかがえるお墓参りコーデ 漆黒の宝石「ジェット」でシックに
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」新年特大号発売! 紅白激震!未成年アイドルの深夜密会ほか
「週刊ポスト」新年特大号発売! 紅白激震!未成年アイドルの深夜密会ほか
NEWSポストセブン