スポーツ

加瀬秀樹プロが語る妻との別れ 乗り越えた先にあった出会いと復活優勝

新しい家族の存在が力に(写真は2004年のサントリーオープン/共同通信社)

新しい家族の存在が力に(写真は2004年のサントリーオープン/共同通信社)

 もしも妻に先立たれたら──そんな仮定で人生を考えたことがない人が多いのではないだろうか。ただ、経験者の話を聞くと、長い人生のなかで“その時”に備えておくことが重要だとわかってくる。どのように悲しみを乗り越えていったのか、プロゴルファー・加瀬秀樹氏(62)に聞く。

 * * *
 1990年代の日本男子ゴルフ界では、AON(青木功、尾崎将司、中嶋常幸)の牙城に、数々の新進気鋭の若手プロが挑んだが、そのなかでも恵まれた体格からのゆったりとしたスイングを武器にしたのが加瀬秀樹プロ(62)だ。

 1990年にはメジャー大会「日本プロゴルフ選手権」でツアー初優勝。その20年後、シニアツアーのメジャー大会「日本プロゴルフシニア選手権」では、50歳でシニア入りしてから初めてとなる優勝を飾った。レギュラー・シニアの両ツアーでプロ日本一になったのは、中村寅吉や中嶋常幸など長い歴史で10人しかいない。

 18番グリーン上での表彰式の最後、加瀬プロは文子夫人と長男・哲弘くんを手招きし、カメラマンたちのフラッシュを浴びた―─。

「優勝するたびに表彰式で家族一緒に写真を撮ってもらう。それが、自分の励みになってきたことは間違いありません」

 そう振り返る加瀬プロだが、悲しい過去もある。1991年に前妻の京子さんを亡くしたのだ(加瀬プロは当時32歳)。

 前年の日本プロ優勝で賞金ランク8位となっていたが、1991年は賞金ランク20位、1992年は44位となり、1993年には70位と順位を落としていった。

「前妻を亡くしたのは、『日本プロ』で初優勝し、5年シードで試合に出られるようになった時でした。海外のツアーもエントリーしていて、スケジュールが詰まっていました。そうしたなか、急というか、シーズンオフでしたが、喘息で入院してそのまま亡くなってしまった。まさか命を落とすとは考えてもいなかった。

 その時は茫然としていましたが、悲しみを乗り越えるためにとにかくゴルフをするしかなかった。ひたすらボールを打ち込み、練習に明け暮れました。ただ、結果がついてこなかったですね。突然の別れが、ずっと頭の中にあるわけではないのですが、ふとした時に思い出す。ゴルフをするしかなかったのに成績が残せず、1993年には(ランキング50位以内に入れず)賞金シード落ちというどん底に落とされました」

関連記事

トピックス

運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏に「自民入りもあり得るか」聞いた
【国民民主・公認取り消しの余波】無所属・山尾志桜里氏 自民党の“後追い公認”めぐる記者の直撃に「アプローチはない。応援に来てほしいくらい」
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
遠野なぎこさん(享年45)、3度の離婚を経て苦悩していた“パートナー探し”…それでも出会った「“ママ”でいられる存在」
NEWSポストセブン
レッドカーペットに登壇した大谷夫妻(時事通信フォト)
《産後“ファッション迷子期”を見事クリア》大谷翔平・真美子さん夫妻のレッドカーペットスタイルを専門家激賞「横顔も後ろ姿も流れるように美しいシルエット」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
NEWSポストセブン