『弁護士・亜嵐陸法は漫画家になりたい』より
武村:いやいやいや…ぼく、たぶん“ちょうどいい”馬鹿なんですよ。だから頑張って法律を理解しなきゃって思って、ぼくが理解できる範囲で描けば読者にもきっと伝わりやすいはずだと思っていて。
中島:漫画では年明けからファスト映画編を始めるつもりです。ファスト映画というのは映画を無断で編集して短い動画にしてあらすじを全部解説するものなんですが、それも著作権侵害なので取り上げたいなと。
武村:サイバー直轄隊も描きたいですね~。
中島:ファスト映画編では亜蘭のライバル弁護士も出てきます。あと、今月『亜蘭』の単行本1巻が発刊されたので、その印税は全部海賊版サイト撲滅に使う予定です。
武村:…ちょっと中島さんのことが心配なんですよね。それこそ『亜蘭』に出てくる敵みたいなやつに狙われたりしないかなと思って…。
中島:気をつけます……。個人的には、2億アクセスもあるサイトの運営者ってテロリストだと感じてて。日本の知的財産に対するサイバー攻撃でありテロ行為。海賊版サイトを見ちゃうとその人達に広告収益が入っちゃうので、見る行為はテロリストへ資金提供をするようなものです。なので、ぜひ控えていただきたいなと。
あと、ぼくは代理人弁護士としてではなく、著作権者本人として海賊版サイトや著作権侵害と戦いたいと思って漫画原作を書きましたので。直接戦ってちゃんと摘発しました、ってところまではぜひやりたいと思っています。
武村:すごい…。原動力がキラキラしてますね。ぼくのイメージする亜蘭は中島さんのこの真っ直ぐさをもっと凝縮した感じなんです。
それとぼくの野望は、これは中島さんといつも二人で言ってるのですがメディア化されることです。すごく俗物っぽいですが(笑い)。
中島:でも武村先生は漫画家でそれがビジネスっていうところがあるので。お金が入らないと続きも書けないし、アシスタントも雇えないですから。漫画家さんが面白い作品をずっと作っていくためにも権利者にお金は入ってほしいですし、海賊版サイトは権利やお金を横取りする仕組みであり、なくなってほしいとはいつも思っています。
――ではそろそろまとめに。『亜蘭』という作品のどんな部分に注目してほしいですか、またはどういった部分に力を入れていますか。
武村:法律って身近で面白いものだと感じてもらえたら。ぼくは中島さんに色々教えてもらいながら作っているので、勉強になるなって思うことが結構あって。そういう意味ではぼくもやっぱり情弱(情報弱者)なんです。でも同じような方もいっぱいいると思うんで、ぼくが咀嚼して描いた漫画を読んでもらって、少しでも犯罪防止になったり、巻き込まれないよう避ける手立てとして役に立てれば嬉しいな…と、最近思うようになりました。連載を始める前は全然そういう意識はなかったんですけど。
法律ってぼくたちの生活に常にかかわってるっていうか、守ってくれている部分があるんやな、すげえなあって。中島さんすげえなってことでもあるんですけどね。