中島:特に意識している部分ではないんですが、ぼくは漫画が好きで昔から読んできて、自分の生き方にだいぶ影響を受けているんですね。主人公ってみんな一本筋が通ってて絶対仲間を裏切らないとか、悪いやつとはちゃんと戦うって印象があって、この『亜蘭』という作品を読んだ人の中からもいつか「法学部に入りました」とか「弁護士目指しました」とか「法律の知識がついて自分で問題を解決できました」って、そういう風に誰かにちょっとでも影響を与えられたら嬉しいなと思いますね。ただ、漫画って自由にエンタメとして読むものなので、こう感じてほしいっていうのは正直ないです。楽しんでくれたら一番で、プラス何かで役に立てたり、心に残ったりすればさらに御の字っていうぐらいで。
武村:楽しんでほしいですよね。楽しませたいという気持ちはすごくいっぱい詰まってる漫画ですよね。
◇中島博之
なかじま・ひろゆき。衆議院議員秘書を経て2011年弁護士登録。海賊版サイト「漫画村」の運営者の特定、漫画村出張所の摘発を行った。近年では「ファスト映画」投稿者の特定・摘発、漫画BANKの閉鎖の一因になったと言われる開示手続を担当。代理人弁護士ではなく、著作権者本人として海賊版サイトと戦うため漫画原作を執筆。
◇武村勇治
たけむら・ゆうじ。1970年生まれ。大阪府摂津市出身。1994年に読切「ガキ」が少年サンデー月例賞に入選。同作で「少年サンデー超」デビュー。代表作に『我が名は海師』『義風堂々』『トリガー』『仕掛け人 藤枝梅安』など。最新作は『弁護士・亜嵐陸法は漫画家になりたい』で、現在第1巻が発売中。
『弁護士・亜蘭陸法は漫画家になりたい』
主人公・亜蘭陸法(あらんりくのり)は漫画が大好きで漫画家になりたいと願う19歳。念願の漫画家アシスタントとして雇われた先で海賊版サイトによる被害を知る。義憤に燃える亜蘭は自身が弁護士であることを明かして調査を開始するが……。武器は法律知識にGペン、そしてあふれる漫画愛! 漫画業界の危機に新時代のニューヒーローが立ち向かう、極上のリーガルエンターテインメント。