大腸内視鏡検査(写真/AFLO)

大腸内視鏡検査(写真/AFLO)

糖尿病検査で糖尿悪化

 被曝量が多いという問題は胃のバリウム検査にも当てはまる。

「胸部X線検査による放射線の被曝量は一般的に0.1mSvほどと言われていますが、バリウム検査では検査台の上に寝かされて5分から10分もX線を浴び続けるため、被曝量は胸部X線検査の数百倍になることもあります」(岡田医師)

 バリウムによって便が固まって便秘になったり、バリウムが体内に固着して腸などに穴が開く「穿孔」が起きる可能性もあるとされている。

 最新の糖尿病検査をめぐっても、体への深刻な負担が指摘されている。

 人間ドックや健診では血液検査の「空腹時血糖値」で糖尿病を測定するのが一般的だが、糖尿病には食事をした後の「食後血糖値」が高い数値のまま継続するタイプもあり、後者は通常の血液検査では検出されにくい。

 そうした“隠れ糖尿病”も含めて診断できると言われる75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)について、岡田医師が警鐘を鳴らす。

「この検査では、まず空腹の状態で採血し、血糖値を測定します。それからブドウ糖75gを溶かした水を飲み、30分、1時間、2時間後に採血して血糖値を測定する。これはコーヒーに入れる一般的なスティックシュガーに換算すると50本分に相当します。ブドウ糖をこんなに大量に飲めば、糖尿病が悪化して寿命を縮めるだけです」

 受ける前に体への負担をよく考えて慎重に判断したい。

※週刊ポスト2022年1月1・7日号

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