大腸がんやポリープの検査として行なわれている便潜血検査(検便)も「異常がなかったから安心」と考えるのは早計だ。
谷本医師が語る。
「大腸は長さ1.5mほどもある消化管なので、肛門に近い側のがんは見つけやすい傾向にありますが、小腸に近いほうではまだ便がゆるい状態で、通過してもがんから出血しないことがあります。つまり、そもそもがんができたからといって必ず出血するわけではなく、早期病変のポリープの存在も分からないので、検査結果は万全の精度とは言い難いのです。
それでも、非常に安価なのは便潜血検査の大きなメリットなので、年1回は受けるべきですが、陰性であっても完全に安心はできないことは覚えておいてほしい」
※週刊ポスト2022年1月1・7日号