強豪校復活は主力の状態次第
1年生ながら石田洸介選手は出雲5区、全日本4区を走り、いずれも区間賞の好走。ポテンシャルの高さを示し、箱根での走りにも期待(時事通信フォト)
2020年の箱根で10位に沈み、2009年の初優勝から続けてきた総合3位以内が途切れた東洋大だが、前回は3位に返り咲いた。今季は出雲で3位に入ったが、全日本では10位と大きく順位を落とした。
箱根に向けては、2年連続で5区山登りで区間1、3位の走りを見せてきた宮下隼人(4年)、前回1年生ながら”花の2区”を走った松山和希(2年)ら、エース格の選手の調子が上がっていないのが気になる。だが、スポーツ東洋「スポトウ」陸上競技チーフの水越里奈記者(3年)は、「箱根では力を発揮してくれるはず」と期待を込める。
「全日本のときにテーピングで足を固めていた宮下選手の状態は気になります。一方でルーキーの石田洸介選手や6区の山下りでの走りが予想される九嶋恵舜選手(2年)など、調子を上げている選手もいる。強気な走りが東洋の駅伝、どんな状態でも、とくにこだわっている往路優勝は狙っているはずです」
上位を虎視眈々と狙うダークホース
前回1区で区間賞を獲得した法政のエース鎌田航生選手。「普段は気さくで、後輩からもイジられる天然キャラなんです」(大井記者。写真/時事通信フォト)
前回17位と苦しんだ法政大は、予選会を6位で通過し、7年連続での箱根本選出場を決めた。上位に加わる予想はほぼないが、前回の創価大(往路優勝、総合2位)がそうだったように、スポーツ法政新聞会の大井涼平記者(2年)は「贔屓目ですが、上位を狙える力はあります」と力を込める。
「昨季は1区区間賞の鎌田航生選手(4年)頼みだったのは確かです。ただ、今季は違います。鎌田選手の高校時代からの後輩の内田隼太選手(3年)が好調で、1区を任せられるまでに成長したことで鎌田選手を2区に回すことができる。
全日本では3区にルーキーの小泉樹選手を起用しましたが、その流れは箱根を想定してのはず。5区の山登りだけが心配ですが、そこさえなんとかなれば、往路優勝も夢じゃない。こんな予想をするのは自分だけだと思いますが、去年の創価大さんの往路優勝だって誰も予想はしていなかったですよね(笑)」
取材・文/栗原正夫
※週刊ポスト2022年1月1・7日号
箱根路を制するのは(撮影/内海裕之)