スポーツ

暮れの大一番・有馬記念では「家族の絆」がモノを言う

中山競馬場のパドック

中山競馬場のパドック

 有馬記念は最も馬券が売れるGIレース、有名人たちの予想も花盛りだ。競馬ライターの東田和美氏が分析した。

 * * *
 グランプリ4連覇を目指すクロノジェネシスに3歳GⅠ馬2頭が立ちはだかるという構図。なかでも天皇賞(秋)を制し、ジャパンカップを使わずこちらに照準を合わせたエフフォーリアがファン投票1位の後押しを受けて人気の中心になりそうだ。

 今年のGⅠ馬は4頭のみ。年度代表馬選出が濃厚と言われるラヴズオンリーユー、圧倒的なパフォーマンスでジャパンカップを勝ったコントレイルが早々と引退、当年のダービー、オークス馬も出走しない。こんな有馬記念は天皇賞(秋)やジャパンカップのように“3強”ですんなり決まったりしないような予感がする。

 有馬記念の枠順抽選会がテレビ中継をするほど話題になるのは、やはりそれだけ勝敗を左右するからだろう。クロノジェネシスは7番枠。エフフォーリアは10番枠とまずまず。一方、前々で競馬をしたいはずのタイトルホルダーは、あろうことか大外16番になってしまった。

 ところが内枠を見ると逃げ宣言をしたパンサラッサが1枠2番の絶好枠。そしてタイトルホルダーの姉・キュートなアイドル、メロディーレーンが2枠4番。おお、これは「弟よ、私がしっかり2番手のポジションを取っておくから、焦ることなく徐々に上がっておいで」といっているかのようだ。

 タイトルホルダーの鞍上は横山和生。弟・武史がエフフォーリア、父・典弘騎手もシャドウディーヴァで参戦するので父子3人揃い踏みだ。父は騎乗数も勝利数も少ないが、息子と同時騎乗した134レースの後先では勝ち越しており、しっかり父の威厳を見せている。

 そのうち今年3人が同じレースで騎乗したのは30回。内訳はといえば父1勝、和生6勝、武史4勝、3人の後先でみても長男がトップ。ただ1度のワン・ツー・スリー決着だった8月28日札幌オホーツクステークスも和生、武史、典弘の順だった。

 年間100勝を達成、クラシックも制覇した武史は12月19日終了時点で761回騎乗。エージェント規定では若手騎手だが、いまやトップランクの扱いで騎乗馬にも恵まれていたはず。武史が1着になったレースで和生が騎乗していたのは31回だが、そのうち和生が1番人気だったのは2回だけ。

 一方騎乗数595回の和生が勝った時に武史が騎乗していたのは27回。160以上の差がある騎乗数を考えれば互角以上の結果といえ、しかもこの時武史の1番人気馬を5回も負かしているのだ。

 今年は弟ばかりが注目されたが、兄の77勝というのもキャリアハイ。ここは姉も見守っているタイトルホルダーを軸にする。

関連キーワード

関連記事

トピックス

「新証言」から浮かび上がったのは、山下容疑者の”壮絶な殺意”だった
【壮絶な目撃証言】「ナイフでトドメを…」「血だらけの女の子の隣でタバコを吸った」山下市郎容疑者が見せた”執拗な殺意“《浜松市・ガールズバー店員刺殺》
NEWSポストセブン
連続強盗の指示役とみられる今村磨人(左)、藤田聖也(右)両容疑者。移送前、フィリピン・マニラ首都圏のビクタン収容所[フィリピン法務省提供](AFP=時事)
【体にホチキスを刺し、金のありかを吐かせる…】ルフィ事件・小島智信被告の裁判で明かされた「カネを持ち逃げした構成員」への恐怖の拷問
NEWSポストセブン
グラドルデビューした渡部ほのさん
【瀬戸環奈と同じサイズ】新人グラドル・渡部ほのが明かすデビュー秘話「承認欲求が強すぎて皆に見られたい」「超英才教育を受けるも音大3か月で中退」
NEWSポストセブン
2人は互いの楽曲や演技に刺激をもらっている
羽生結弦、Mrs. GREEN APPLE大森元貴との深い共鳴 絶対王者に刺さった“孤独に寄り添う歌詞” 互いに楽曲や演技で刺激を受け合う関係に
女性セブン
無名の新人候補ながら、東京選挙区で当選を果たしたさや氏(写真撮影:小川裕夫)
参政党、躍進の原動力は「日本人ファースト」だけじゃなかった 都知事選の石丸旋風と”無名”から当選果たしたさや氏の共通点
NEWSポストセブン
セ界を独走する藤川阪神だが…
《セの貯金は独占状態》藤川阪神「セ独走」でも“日本一”はまだ楽観できない 江本孟紀氏、藤田平氏、広澤克実氏の大物OBが指摘する不安要素
週刊ポスト
「情報商材ビジネス」のNGフレーズとは…(elutas/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」は“訴えれば勝てる可能性が高い”と思った》 「情報商材ビジネス」のNGフレーズは「絶対成功する」「3日で誰でもできる」
NEWSポストセブン
入団テストを経て巨人と支配下選手契約を結んだ乙坂智
元DeNA・乙坂智“マルチお持ち帰り”報道から4年…巨人入りまでの厳しい“武者修行”、「収入は命に直結する」と目の前の1試合を命がけで戦ったベネズエラ時代
週刊ポスト
組織改革を進める六代目山口組で最高幹部が急逝した(司忍組長。時事通信フォト)
【六代目山口組最高幹部が急逝】司忍組長がサングラスを外し厳しい表情で…暴排条例下で開かれた「厳戒態勢葬儀の全容」
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
小室眞子さん“暴露や私生活の切り売りをビジネスにしない”質素な生活に米メディアが注目 親の威光に頼らず自分の道を進む姿が称賛される
女性セブン
手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《「ダサい」と言われた過去も》大谷翔平がレッドカーペットでイジられた“ファッションセンスの向上”「真美子さんが君をアップグレードしてくれたんだね」
NEWSポストセブン
パリの歴史ある森で衝撃的な光景に遭遇した__
《パリ「ブローニュの森」の非合法売買春の実態》「この森には危険がたくさんある」南米出身のエレナ(仮名)が明かす安すぎる値段「オーラルは20ユーロ(約3400円)」
NEWSポストセブン