『爆笑ヒットパレード』に出演した爆笑問題・太田光がラジオで「一番大変なのはナインティナインだよな。ずーっとMCやってんだもん」と指摘したのも頷けるハードワークぶり。それにしても、芸人が飽和状態と言われるほど溢れる中、なぜこんなにナイナイに仕事が集中するのだろうか。
「ナイナイのお笑い界での立ち位置については、上にはダウンタウン、ウンナンらがいてトップの座を譲らず、下には千鳥、かまいたちといった勢いのあるコンビがひしめき合っているため、ベテランと若手の間で難しいポジションだと指摘されることがあります。しかし、むしろそれこそがナイナイの最大の強みです。幅広い世代の芸人が集まる大型特番で、上の世代とも下の世代とも分け隔てなく絡めるのはナイナイならでは。しかも彼らは華がありながら決して前へ出すぎることがないため、他の芸人たちもやりやすく、テレビ局側も安心して任すことができるのでしょう。
特に今年は、ダウンタウンは大晦日の『笑ってはいけない』がなくなり、内村光良も『紅白歌合戦』の司会を勇退し、上の世代が一歩引いた形となったため、よりナイナイが際立ちました。千鳥やかまいたちは確かに勢いがありますが、幅広い年齢層がくつろいだ雰囲気で視聴する年末年始のMCとしては少し弱いとテレビ局は判断しているようです。テレビの視聴習慣が家庭よりも個人にシフトした今、“お茶の間の人気者”と呼べるのはナイナイが最後なのかもしれません。最後の国民的人気番組といえる『笑っていいとも』の最終回で、錚々たるトップ芸人が集結した場でもっとも若かったのがナイナイだったことも、そうした印象を強めています」(同前)
ナイナイ矢部の余裕は、そうした長年の蓄積がもたらしたものなのだろう。